2005年6月3日(金)「しんぶん赤旗」

「君が代」強制予防訴訟

「内心の自由」説明だめ

東京地裁 都教委通達で前課長


 「君が代」斉唱時に起立する義務はないことの確認を求めて都立学校の教職員約四百人が訴えている裁判(予防訴訟)の口頭弁論が二日、東京地裁(難波孝一裁判長)で開かれました。被告・東京都教育委員会側の証人として巽公一・前指導企画課長が出廷。「(『君が代』斉唱を拒否する生徒に対して)嫌だといわれて終わりにするのでは教育にならない」などと発言。子どもの内心の自由を奪ってまで強制する都教委の姿勢をあらわにしました。

 巽氏は二〇〇三年当時、都教委の「卒業式・入学式対策本部」の幹事長でした。「日の丸・君が代」の実施方法を細かく定めて強制する「10・23」通達の作成にかかわっていました。

 証言の中で同氏は「10・23」通達は都教委から全都立学校の校長に対する職務命令として出されたものだと明言。「通達どおりにできない状況にある場合」は校長が教職員に職務命令を出すよう「指導」した結果、すべての校長が起立などを命じる職務命令を出したとのべました。

 また「10・23」通達の目的が教師の不起立だけでなく、フロア形式の卒業式や「君が代」斉唱前に生徒や保護者に内心の自由があると説明することをやめさせることにあったことを明らかにしました。

 通達で事細かに実施方法を決めて強制したことで学校が創意・工夫をする余地はあるのかを問われた巽氏は、「来賓の話や紅白幕をどうするかなどは学校の裁量」と発言。傍聴席から失笑がもれ、難波裁判長が「学校の独自性を出す余地があるのか」と巽氏に問い掛ける場面もありました。


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