2005年6月2日(木)「しんぶん赤旗」

4日に労働相談110番

日本労働弁護団 全国24カ所


 日本労働弁護団は四日、「全国一斉労働トラブル一一〇番」を実施します。解雇や賃下げ、労働条件の切り下げと職場でさまざまな問題を抱えている労働者や家族から電話で相談を受け付けます。全国二十四カ所で労働問題専門の弁護士が相談に応じます。

 同弁護団は一九九三年から毎年二回、電話による全国一斉の労働相談を続け、今年で十三年目。ここ数年は年間二千三百件の相談があります。

 「今年四月決算期の企業の営業利益は好調であるにもかかわらず、解雇の相談が増えている」と同弁護団は指摘します。

 従来の相談では、一番目が残業代を含む賃金不払い(36%)、次いで解雇、労働時間にかんする相談という順でした。

 今年に入ってからは、解雇がトップで24%。いじめ・嫌がらせが約18%と急増しています。

 解雇の相談では、規律違反の解雇(20・5%)と懲戒解雇(15・5%)が突出し、有期雇用労働者の雇い止めの相談が16・5%と続いています。

 精神的に追いつめられて、うつ病やうつ状態になり、精神科を受診する労働者が増えています。

 賃金カットや賃金不払いの相談では、成果主義賃金制度により、不透明な評価で賃金を切り下げられたという訴えが増えています。

 こうした傾向を踏まえて、今回は「労働トラブル一一〇番」というテーマにし、残業や長時間労働、解雇、賃下げにとどまらず、いじめや嫌がらせなどすべての相談に応じようとしています。

 「一一〇番」の電話番号は次の通りです。

 東京(午前十時から午後五時)TEL03(3251)5363

 愛知(同時間帯)TEL052(682)3211

 大阪(同時間帯)TEL06(6360)7715

 福岡(午前十時から午後二時)TEL092(732)3010

 北海道(午前十時から午後五時)TEL011(221)5714


仕事は「転職先探し」
残業代払わず

【最近の相談例】

 ○…大手企業がリストラ対象とみなした労働者に、成果主義賃金の目標として「転職先を探す」という項目を設定。就職先を探すことを仕事として押しつけ、「成果が上がったときは会社を辞めるとき」ということに。

 ○…食品製造販売のシステムエンジニアが仕事を外され、「なにもするな」と命令された。上司と一対一で何時間も「おまえには能力がない」と怒鳴り散らされ、「辞表を書かないなら辞めろ」と解雇。この会社は1年間に10人を解雇。

 ○…建築会社に勤務する労働者が3カ月後に辞めてもらうといわれた。社長は「おれに自由に解雇できる権限がなければ会社がかわいそうだ」と労働基準法無視の放言。

 ○…店頭公開企業で毎日12時間程度勤務させられ、残業代が支払われなかった。労基署に申告したところ、指導があったが、本給を減らし、残業手当を別途定額で支給する賃金体系に変更しただけだった。

 ○…外資大手の管理職が導入された成果主義賃金制度で年俸契約の期間途中に一方的に8%カットされ、半年後にいきなり解雇。新しい上司が来たとたんに人事評価が下がり、解雇のさい、「成果があがっていない」ことを理由とされた。


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