2005年5月13日(金)「しんぶん赤旗」

障害者は暮らせない

「自立支援法」に抗議

「作業所工賃1万円 利用料は3万円に」


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障害者自立支援法飮を考えるフ櫻欟ラムで反対をアピールする参加者=12日、東京・日比谷野外音

 「障害者の自立はばむ障害者自立支援法は見直しを」―。5・12「障害者自立支援法」を考えるみんなのフォーラム会場の東京・日比谷公会堂・野外音楽堂は、花冷えのなか障害の種別や立場をこえた約六千六百人が集まり、思いを一つにしました。

 肢体障害や精神障害、脳外傷、心臓病、腎臓病などの人や家族などが壇上から次々と発言しました。「応益負担ぜったい反対」「障害者の人権を奪うな」と書いたプラカードを手にした親や施設職員、車いすの障害者らが拍手を送りました。

 重度の知的・身体障害をもつ息子(23)の母親、林満里さん(51)は大阪から来ました。「法改悪されれば、利用料は障害年金をはるかに超えます。国はどういうつもりか。死活問題です」。厚生労働省庁舎へ体を向け、怒りをぶつけました。

 知的障害の息子(28)をもつ矢部京子さん(50)=埼玉県=も「『支援』というが、何の支援にもなっていない。障害者自立“破壊”法です」。

 発言に拍手を送っていた奥田卓也さん(26)は、右半身にまひがあり車いすに乗っています。府中共同作業所に週五日通い、収入は月給約九千六百円と障害基礎年金約八万三千円です。「将来は一人ぐらしをしたい。でも施設やガイドヘルプサービスの利用料の一割を払うようになれば、施設に通えなくなるかも。働くために通っているのに、おかしい」と話しました。

 小児まひで車いすに乗っている関口貴子さん(51)は、埼玉県の「そめや共同作業所」の仲間と参加しました。今までは無料だった作業所の利用料、食費が法改悪で三万円ほどになります。「作業所で一生懸命働いても工賃は月に一万円ほど。働くにもお金を払わなくてはいけないのか。障害者は働くことも許されないのでしょうか」

 「人間らしい生活が奪われる」というのは、全盲で盲導犬といっしょに参加した金子正次郎さん(61)。「政府は予算がないことを理由にしているが、税金の使い方が問題です。公共事業にどんどん金を使い、福祉を削るのは納得がいかない」

 障害者の自立支援を行っている鈴木さん(45)=福島県=は「戦後六十年かけて積み上げてきた障害者福祉の大後退」といいます。


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