2005年5月13日(金)「しんぶん赤旗」
世界1230万人強制労働に
ILO報告書
2割が人身売買被害者
ジュネーブに本部を置く国際労働機関(ILO)は十一日、強制労働と人身売買に関する初めての報告書を公表、世界中で少なくとも千二百三十万人が強制労働を強いられていることを明らかにしました。
ILOのソマビア事務局長は「強制労働はグローバリゼーション(経済の世界規模化)の別の側面を表しており、基本的人権と人間の尊厳を否定するものだ」と述べ、「公正なグローバリゼーションとすべての人々への適切な職業を達成することが強制労働廃絶のための緊急課題となっている」と強調しました。
同報告は、強制労働に従事させられている人々のうち、約20%の二百四十万人が人身売買の被害者で、人身売買による利益は年間三百二十億ドルに達すると指摘しています。このうち二百八十億ドルは性産業関連とみられています。
強制労働を強いられている人たちを地域別でみると、アジアが九百五十万人、中南米が百三十万人で、この二地域が大半を占めています。このほかサハラ以南アフリカが六十六万人、中東・北アフリカが二十六万人、発展した工業諸国が三十六万人、東欧諸国が二十一万人となっています。工業諸国、中東・北アフリカでは強制労働の75%が人身売買によるもの。
強制労働の産業分野は男女によって大きな差があり、男性は主として農業、建設業などですが、女性の場合、商業的な性的搾取がほとんどとなっています。また強制労働に従事させられている人の40―50%が十八歳未満の子どもです。
報告は、発展途上国では古い形態の強制労働が新しい形態に変わり、負債が先住民などの少数者に影響を与え、貧困の連鎖から抜け出せない状況にあると指摘。多くの被害者が労働行政の監視が行き届かない遠隔地で働かされているとしています。
また、移民、とくに不法移民労働者に対する強制労働が行われていることも指摘しています。

