2005年5月5日(木)「しんぶん赤旗」

海外視察で都議がカジノ調査?


 〈問い〉 海外視察で都議がカジノ調査に行ったと聞きました。財政難で自粛していたと思っていましたが。(東京・一読者)

 〈答え〉 都議会では、日本共産党が第2党に躍進した97年から00年までの4年間、海外視察が自粛されてきました。98年には、自民、公明、民主が一度は海外視察再開を決めましたが、日本共産党は「都財政が厳しいなかで、多額の税金を使う海外視察をおこなう意義と緊急性がなく、不況で苦しむ都民の理解が得られない」と反対し、世論の批判も高まるなかで、自粛に追いこみました。

 ところが、4年前、自民、民主、公明は「すべての会派が参加する方式では足並みがそろわない」と、海外視察を都議会としての超党派の視察から、会派ごとの視察に切りかえることを提案してきました。日本共産党は、会派ごとの視察であれば、1議員当たり月60万円交付される政務調査費を使っておこなえばいいと主張して反対しましたが、押し切って実施されました。

 その結果、01年以降この4年間で、自民と民主がそれぞれ4回、公明が1回の海外視察をおこないました。一人当たりの費用は、平均150万円、最高218万円という豪華視察です。しかも、自民党と民主党は、カジノ調査の名で、公認賭博場がある町として有名なモンテカルロやラスベガスに2泊もしています。カジノ調査が、都民にとって、意義と緊急性のある海外視察といえるでしょうか。

 また、03年11月に実施された自民党のイタリア、イギリスへの海外視察を取材した日本テレビの「報道特捜プロジェクト」(同年12月13日放送)は、予定表では「終日LRT(新世代路面電車)等調査」のはずが、博物館やサッカー場、競馬場など「ミラノの典型的な観光コースを回っていた」様子や「常に移動で使った大型バスは、議員6人と通訳、添乗員の計8人しか乗っていなかった」ことを報道しました。これを見た都民からは「あれは観光旅行でしかない」「怒りを感じた。税金泥棒と言うよりほかない」(東京都広報課によせられたメール・電話)などの声があがっています。

 福祉切りすてで都民に痛みを押しつけながら、一人150万円から200万円もかけた豪華視察をつづけていいのでしょうか。大阪では一人80万円前後の海外視察が批判をうけ、見直しが検討されています。

 日本共産党都議団は、海外視察のあり方の抜本的見直しを各党に呼びかけていますが他党は応じようとしていません。(阿)

 〔2005・5・5(木)〕


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