2005年5月5日(木)「しんぶん赤旗」

JR西

リポート項目 155にも

「再教育」の名で精神的圧力


 停車駅でのオーバーランなどミスをした運転士を再教育(日勤教育)するJR西日本電車区の教育内容の全容が四日、国労京滋地区本部が入手した文書でわかりました。同文書は、西日本全体で再教育を受けた労働者から事情聴取してまとめたもの。再教育のためのリポートの項目はわかっただけでも百五十五にも及びます。ミスをした運転士によって区長(または係長)がリポート項目を選択。書き直しを含めて区長が了承するまでえんえんと続きます。


写真(告発文)

 再教育は他の労働者が出入りする事務室や個室で行われ、「何故、基本動作を実行するのか」「何故、できなかったのか」「何故、雑念が入ったのか」「企業人とは何か」など、似たような課題が次から次へと与えられます。

 一日に三種類ものリポートを書かせ、区長が求める内容でないと書き直しを命じられます。教育期間は区長の裁量で決められ、国労関係者や「こいつは生意気だ」と思われている労働者は一カ月前後にも及ぶ場合があります。

 ミスをした運転士に対する再教育は、各私鉄でも実施されています。しかし、例えば阪急電鉄の場合だと「懲戒基準」が定められており、JRのように個人の裁量によって教育内容や期間が一方的に決められるようにはなっていません。

 JRの各区長は、メールでどういう方法で教育すると労働者が一番精神的にこたえるのか、といった情報交換を行い、取り調べ官の手がら話のようにまでなっています。JR西日本では、電車区のほか車掌、保線、電気、検修、駅、工場など現業部門で似たような教育を実施しています。

 国労京滋地区本部の木村康郎前委員長は「再教育を受ける労働者は午前九時から午後五時四十五分まで、こうした教育が繰り返されます。その内容はミスには関係のないことにまで及び、人権無視、退職強要、組合脱退強要まで行っているのが実態です。これでは安全に役立つどころか、精神的にも追い詰められ、事故を起こさせるためにやっているとしか思えません」と語っています。


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