2005年4月26日(火)「しんぶん赤旗」

「つくる会」教科書に憂慮

歴史研究者・教育者 62氏がアピール


 侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書について、歴史研究者・歴史教育者六十二人が二十五日、「歴史の事実をゆがめる『教科書』に歴史教育をゆだねることはできない」とのアピールを発表しました。同教科書が採択され学校の教室にもちこまれることに「深い憂慮」を表明しています。

 荒井信一・駿河台大学名誉教授、石山久男・歴史教育者協議会委員長、西川正雄・東京大学名誉教授、浜林正夫・一橋大学名誉教授が記者会見し、さらに賛同者を広げていく意向を表明しました。

 荒井氏は、「天皇のために死ぬこと」を教え込まれた戦前への反省から戦後の歴史研究・歴史教育が出発したことを振り返り、子どもたちが正しい歴史認識、国際理解を持つことの重要性を指摘。西川氏は、二十年来アジア諸国と歴史の共同研究を重ねてきた体験を語り、「共通の土台ができてきたのに、『つくる会』の教科書はそれを無にしてしまうもの」と批判しました。浜林氏は、「海外で武力行使ができるよう憲法を変えようという状況のなかで、戦争の事実を覆い隠す教科書が出ている。前回以上に急速に運動を広げる必要がある」と語りました。

 アピールには甘粕健、岩井忠熊、戸沢充則、直木孝次郎、宮田節子、和田春樹らの各氏が名を連ねています。


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