2005年3月30日(水)「しんぶん赤旗」

中間地方議員選挙

1〜3人区でも勝利

住民の声くみ上げる共産党


 一連の中間地方議員選挙で日本共産党の健闘ぶりが各方面から注目されています。北九州市議選をはじめ大都市部とともに合併選挙で一人区、二人区、三人区で当選が相次いでいるのです。  

政治風土を清算

 「共産公認候補が大差で前助役候補を破る」

 「上意下達が習いの吉川の政治風土を、住民は一挙に清算した」

 新潟県上越市議会増員選挙(二月十三日投開票)吉川区(定数一、立候補三)の結果を地元紙の上越タイムスはこう論評しました。

 同増員選挙は、上越市に十三町村が編入されたことにともなうもの。吉川区では、日本共産党前町議の橋爪法一氏(54)と保守系の前助役、民主党衆院議員後援会員の前町議の争いでした。結果は、橋爪さんが千七百八十三票(得票率49・76%)を得て、次点の助役候補に五百票余の大差をつけて勝利しました。

 これだけではありません。今年に入って、長崎市議会増員選挙の香焼区、伊王島区(いずれも一人区)をはじめ二人区、三人区での当選が続いています(別項)。かつて一人区や二人区で日本共産党候補が勝利する例は、東京、長野、京都、大阪、高知といった地域に限られていました。それが各地に広がっています。

二大政党制に疑問

 都市部での善戦も目立っています。

 各党が総力を結集した北九州市議選で日本共産党は十人全員当選しました。同市議選をたたかった福岡県委員会の岡野隆書記長は、“参院選挙でつくられた「二大政党制」の流れに有権者が疑問の目を向け始めたのではないか”とみます。

 北九州市議選で、自民、民主両党は、「地方も二大政党時代」を前面に打ち出してきました。「政権交代で日本を変える」を看板に掲げた民主党候補もいました。

 しかし、国政で民主党は自ら「政権準備党」として「反自民の考えから脱却する」と表明。地方政治では、自民、公明とともに「オール与党」の一員として無駄な大型公共事業を進め、くらしや福祉施策を切り縮めていました。

 北九州市では日本共産党議員団だけが、市民の目線で、「オール与党」政治に立ち向かっていました。人工島計画の中止をはじめ二千五百億円におよぶムダづかいをやめさせ、乳幼児医療費助成の拡充や小学校教室の暖房の実現。また「バス路線の復活を」「閉店したスーパーにかわる食料品店を」との地域要求をとりあげ、実現に努力していました。

 この政治の実態に「多くの地方議会と同様、共産党以外オール与党の北九州市議会に『二大政党』の論理をそのままあてはめることはできない」「民主、社民を含め共産党以外オール与党の議会では、議会も市当局も一蓮托生だ」(西日本新聞)とマスメディアも指摘しました。

 北九州市議選の結果は、各党が軒並み、参院選比例票から後退させました。とくに民主党は七万八千票を減らし四万七千票に。唯一、日本共産党のみが前進させ得票数・率で民主党と肩を並べました。「『二大政党制』のもち込みを許さず、打破への一歩を踏み出すことができた」と岡野書記長はいいました。

合併で意識の変化

 合併にともなう議員選挙では、かつてなかった動きがみられます。前職の保守系議員、町会長、住職はじめ有力者、他党支持者が党候補を公然と応援していることです。

 岐阜県の各務原市議選・川島選挙区(定数二)でも保守の人々が「ろくでもない議員をだすなら共産党の波多野こうめさんを」と応援。引退する議員が自らの地盤であった老人会などで「自分は引退する。今度はこうめさんに」と支持を訴えました。

 自治体合併は、さまざまな矛盾を生み出しています。とくに吸収合併される旧自治体の住民から、サービス低下を心配する声が多くだされています。「循環バスは残るのだろうか」「中心部から二十キロもはなれた地域の声が届くのだろうか」…。こんな声をくみあげ日本共産党は、「合併に賛成した人も反対した人も議会ではっきりものいえる人、住民の願い実現でがんばれる人、議会の様子をきっちり報告できる人を」(上越市吉川区)と訴えました。「一人代表をおくるなら橋爪さんだこて」と有力者が支持を広げたといいます。

 合併による議会の大幅定数減は、従来の保守の支持基盤を崩壊させています。従来の枠をこえた党後援会員への入会働きかけなど創意ある活動が住民の意識の変化を投票に実らせています。また、長崎市の香焼区、伊王島区のように党員が人口比で3%と強い党組織があったことが一人区で勝利する力になっていました。

 ある自民党有力幹部は「合併選挙で共産党は、住民を前面にたて、住民の意思をまとめて対応している」と注目します。

最近のおもな中間議員選挙

 ▼北九州市議選で3期連続10人当選(1・30)

 ▼佐賀県唐津市厳木区(定数3)で当選(2・6)

 ▼長崎市香焼区、伊王島区(いずれも定数1)で当選(2・6)

 ▼上越市吉川区(定数1)で当選(2・13)

 ▼前橋市議選3議席から4議席へ回復。大胡区(定数5)でも当選。5議席で第一党に(2・20)

 ▼大分市議選(大分区)で4人全員当選(2・20)

 ▼岐阜県各務原市川島区(定数2)で当選(2・27)

 ▼同中津川市付知区(定数3)で当選(2・27)

 ▼長崎県五島市議選(定数26)で3氏が全員当選し議案提出権獲得(2・27)

 ▼三重県大紀町大内山区(定数3)、紀勢区(定数7)でいずれも当選(3・13)

 ▼政令指定都市となる静岡市議選(3選挙区・総定数53)で5現職が全員当選。議案提出権をえる(3・27)

 ▼東京・小金井市議選(定数24)で4人全員当選(3・27)


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