2005年2月3日(木)「しんぶん赤旗」

ブラックバスなどの規制 どう考える?


 〈問い〉 特定外来生物被害防止法によって、ブラックバス(オオクチバス)などが規制されることになりましたが、日本共産党はどう考えているのですか? (東京・一読者)

 〈答え〉 1992年につくられた国際条約「生物多様性条約」は、締約国に対して「生態系、生息地若しくは種を脅かす外来種の導入を防止し又はそのような外来種を制御し若しくは撲滅すること」を求めました。これをうけて、ようやく昨年の通常国会で「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」及び「外来生物種規制法」が成立。今年6月施行を前に1月31日、37種の指定リストが決まりました。今後、種ごとに、どう規制するかが検討されます。

 外来種の侵入は、生物多様性を脅かす最も危険な要因の一つとなっています。ハブを退治するとして奄美大島に持ち込まれたマングースによって、アマミノクロウサギは絶滅の危機にあります。ペットなどとして輸入されたアライグマ、タイワンザルやカミツキガメなどの被害も深刻化しています。こうした外来種によって、30数億年の進化の歴史の結果としてつくりあげられてきた自然環境、生物多様性、生態系が破壊されることは、放置できません。危害を及ぼす種の規制は緊急の課題です。このため、日本共産党は、昨年5月の同法制定時、外来生物の輸入や飼養の規制、防除などについての新たな制度が必要であり、防除計画や防除における鳥獣保護法並みの順守事項を定めることなどを求めました。

 今回、大きな問題となったオオクチバスは、北米原産で繁殖力が強く、日本の在来種の稚魚や、昆虫、モロコ、タナゴなどを食べます。日本魚類学会の調査によると、国内43都道府県761カ所の調査で、703カ所で生息、303カ所で顕著な被害が出ており、うち86の湖沼では、在来種等が激減・絶滅の危機にあることが確認され、「人為的かつ意図的な拡散」による被害拡大が指摘されています。

 この機会にどうしたら生態系、環境をまもることができるかを釣り愛好者をふくめ、国民みんなが真剣に考えていくときだと思います。 (恵)

 〔2005・2・3(木)〕



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