2005年1月24日(月)「しんぶん赤旗」

NHKの見解に職員反発


 NHKは番組改変問題で、「政治的圧力はない」とする見解を出しています。NHKの内部からは、「それは違う」という声があがっています。

◇    ◇

 「NHKの見解は、制作現場にいるスタッフから見ると異常としかいえないことばかりです」

 NHKで番組制作をしているAさんはこう切り出しました。

 安倍晋三官房副長官らの介入で改変された「ETV2001〜問われる戦時性暴力」(二〇〇一年一月三十日放送)。放送前日、安倍氏はNHKの松尾武放送総局長に「公平公正に」と注文をつけていました。

 なぜ安倍氏に面会したかと問われたNHKは「今後放送する番組についての説明を(国会議員に)行うことも通常行われている…業務遂行の範囲内」(コンプライアンス推進室)としています。

 Aさんはいいます。

 「国会議員に一つの番組のことを説明しに行く。これを通常の業務として、やってきたとすると、放送の自律を守ることはまったく考えてこなかったわけで大問題です。政府・自民党と一心同体になって放送してきたから、NHK幹部にとっては『通常』といえるのかもしれない。公共の電波を預かっているという意識がないNHKの体質の現れです」

 局内試写について、「ETV」のような定時番組は、番組責任者であるチーフプロデューサーが試写をするのが通例です。「番組制作局長の試写はまれ」と、職員のBさんはいいます。

 「放送総局長まで乗り出して番組制作局長と一緒になって、放送直前まで試写と作り直しを繰り返すのは、何か起きたことを示す。通常ではない圧力がかかったんだとしか考えられない」とBさん。

 四十四分番組だったのを四十三分にカットし、さらに四十分に切りました。

 「時間をきちんとするのは制作上の基本で、欠陥商品と承知でつくったといえます。それにかかわることを国会議員に説明しながら、『覚えていない』とは、ありえないことだと思う」(Aさん)

 一連の不正事件発覚後、九月にNHKは「倫理・行動憲章」を決めました。二項目目に「外からの圧力や働きかけに左右されることなく、みずからの責任において、ニュースや番組の取材制作を行い」とあり、職員のCさんは「それに反することははっきりしている」と強くいいます。

 政治圧力を告発した、長井暁チーフプロデューサーにたいしては、「ほぼ長井さんの話したとおりだと思う」。管理職からも同感の声があがっています。



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