2005年1月22日(土)「しんぶん赤旗」

看護協会費に“協力金”上乗せ

南野法相の支持母体 日本看護連盟

さいたま赤十字病院


 南野(のおの)知恵子法相側への巨額献金が国会でも問題になった日本看護協会の政治団体、日本看護連盟の埼玉県支部で、「協力金」と称して協会の年会費と一緒に各看護師から千円を半強制的に徴収していたことがわかりました。労働組合の抗議と申し入れで、希望者には「返金」されることになりました。


半強制的に年千円

労組抗議で「返金」表明

 判明したのは、さいたま赤十字病院(さいたま市中央区)の事例。同病院では、毎年、年末のボーナス時に次年度の看護協会費として一万四千円が看護部によって徴収されてきました。昨年も各病棟、外来の師長約二十人が集まる師長会で、看護部長から二〇〇五年度分の看護協会費を集金する旨が示され、締め切りはボーナス支給日後の十二月二十一日とされました。

 同病院には、看護職員(助産師、看護師)が約四百人おり、ほとんどが看護協会に加盟しています。全日赤・日本医労連加盟の同病院労組(大崎久志委員長)は、前年度までは、何の説明もなく一万四千円といわれ、徴収されてきたのに、今回は「年会費+協力金」とあったため埼玉県看護協会に問い合わせました。

 協会は、会費の一万三千円(県看護協会費八千円、日本看護協会費五千円)の徴収しか依頼していないと回答。看護連盟県支部は「協力金」が南野氏の埼玉後援会に入金されると説明しました。

 労組は看護部長と折衝。協力金について文書で回答を要求しました。

 看護部長は、看護連盟県支部に出向いたうえで、昨年末、労組に「連盟協力金の使途は連盟支部の人件費などの運営費」としつつ、「次年度はこういう集め方はしない。希望する人には返金する」と回答してきました。

 労組副委員長の高相春江さん(55)は、「残念ながら約九割の人が払っていました。思想信条は自由なのに、まったくの詐欺・強制です。連盟は『看護師の地位向上』とかいっていますが、医療改悪をすすめる自民党を支持して何が、といいたい。もっと知らせていかねば」と話します。書記次長の宮本まき子さん(43)は、「参院選のあった去年も、協会の研修に出かけていくと、南野さんの資料をどっさり渡されたり、ビデオを見せられる。私は今回、協会を辞めました」と話しています。


日本看護連盟 埼玉県支部
埼玉県看護協会
のおの知恵子 埼玉県後援会

すべて同じ場所

写真
看護連盟埼玉支部、のおの後援会が同居する埼玉県看護協会=さいたま市中央区

 公益法人である日本看護協会と、政治団体である日本看護連盟は事実上一体の関係にあります。連盟は全国の看護師、助産師らから集めた会費から二〇〇三年に一億五千万円を「のおの知恵子後援会」に献金しています。

 埼玉県では、日本看護連盟埼玉県支部は埼玉県看護協会と同じ場所にあり、ファクス番号も同じ。のおの知恵子埼玉県後援会は、所在地のほか代表者も会計責任者も電話もまったく同じ。〇三年の政治資金収支報告書によると、日本看護連盟埼玉県支部は約二千五百人から会費を集め、のおの知恵子埼玉県後援会に二百二十万円、自民党埼玉県看護連盟支部に二百十万円の献金をしています。



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