2005年1月22日(土)「しんぶん赤旗」 土星衛星タイタンに川と湖メタン流れる 観測データで判明欧州宇宙機関(ESA)は二十一日、土星最大の衛星タイタンに軟着陸した探査機「ホイヘンス」の観測データを解析した結果を発表しました。撮影した画像から、地球によく似た川や湖を示す地形が浮かび上がりました。水ではなく、メタンの雨が降ってつくられた地形とみられています。 「ホイヘンス」は、米航空宇宙局(NASA)が打ち上げた土星探査機「カッシーニ」に搭載されて土星周回軌道に到達。昨年十二月に分離され、今月十四日にタイタンへの軟着陸に成功しました。タイタンの大気中に突入した後、着陸までの約二時間半と着陸後一時間十二分の間、観測データを送ってきました。 タイタンは濃密な大気をもち、成分で最も多いのは地球と同じ窒素。次いで多いのがメタンです。表面の温度はマイナス一七〇―一八〇度。メタンがちょうど液体で存在するのに適した温度です。 ESAによると、観測された川や湖は現在は干上がっているとみられていますが、雨が降ったのはそれほど昔のことではないといいます。 タイタンの地表の景観は地球とよく似ていますが、液体の水のかわりに液体のメタン、岩石のかわりに水の氷、大気中のほこりのかわりに炭化水素の粒子が存在しているといいます。 また、タイタンの火山は、溶岩のかわりに非常に冷たい氷を噴出するといいます。 |