2005年1月20日(木)「しんぶん赤旗」

安倍氏面会後の異常な改変なぜ


 「政治介入があったとは、まったく感じていない」とした松尾NHK出版社長(当時、放送総局長)発言は、とても視聴者を納得させるものとはいえません。

 番組放送の前日、松尾氏らNHK幹部は安倍氏と面会。安倍氏によると、NHK側は番組が「きわめてバランスのとれたものになっている」と説明したと言います。これにたいし安倍氏は「公平・公正にお願いします」と注文をつけています。これらは安倍氏自身がテレビの発言やホームページで認めていることです。

 NHK幹部が放送日前日に政治家を訪ね、特定番組について説明すること自体が異常なことです。そのことを「通常の業務」というなら、その感覚こそ異常です。

 そして、NHKは安倍氏と面会した後、四十四分番組を一分短縮。深夜に総局長の試写。放送日当日にも、総局長らが協議し、さらに三分縮め四十分番組に改変しています。どの放送関係者に聞いても「通常そんなことは、絶対ありえない」(NHK元職員)ことなのです。

 NHK側は、この番組改変を、自主的なもの、といっていますが、それならなぜ、わざわざ、安倍氏に「バランスのとれたものになっている」と説明したのか。そして、「バランスのとれたもの」を安倍氏に会った後、さらに大幅に改変したのはなぜか。松尾氏らNHK側の会見は、この異常な事態をなにも説明していません。

 安倍・中川両氏と、NHKは進んで真実を明らかにすべきです。

荻野谷正博記者



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