2005年1月19日(水)「しんぶん赤旗」

安倍氏 「偏っている」明言

中川氏 放送前に「会った」

「朝日」が検証特集


 「従軍慰安婦」問題をとりあげたNHK番組(二〇〇一年一月放送)の改ざん問題を十二日付朝刊で最初に報じた「朝日」は、十八日付で「NHK番組改変 本社の取材・報道」と題して、取材経過を詳しく紹介。自民党の安倍晋三幹事長代理、中川昭一経済産業相のコメントや一問一答の全容を明らかにしています。

 安倍氏には「朝日」記者が一月十日に取材しましたが、「正確を期すためにきちんとコメントしたい」と同日夜、改めてコメントを出しました。その中で「偏っている報道と知るに至り、NHKから話を聞いた。中立的な立場で報道されなければならないのであり、反対側の立場の意見も当然、紹介しなければいけない。時間的な配分も中立性が保たれなければいけないと考えている、ということを申し上げた。NHK側も、中立な立場での報道を心がけていると考えている、ということだった。国会議員として当然、言うべき意見を言ったと思っている。政治的圧力をかけたこととは違う」と答え、番組に注文をつけていたことを認めています。

 十三日になって、安倍氏は「こちらから『偏った内容だ』などと指摘した事実も全くなく…」などといいだしていますが、当初は介入を明白に認めていたことを示しています。

 中川氏は十三日の会見で、番組放送前にはNHK関係者と会っておらず、会ったのは放送後の二月二日だと弁明しています。

 しかし十八日付に掲載された「朝日」記者との一問一答(十日)では、「放送直前の1月29日に、NHKの野島、松尾両氏に会われたわけですね?」の問いに、中川氏は「会った、会った。議員会館でね」と返答。さらに「向こう(NHK)は教育テレビでやりますからとか、あそこを直します、ここを直しますから、やりたいと。それで『だめだ』と」とのべたこと、「放送中止を求めたのですか」の質問に「まあそりゃそうだ」と答えたことを紹介しています。



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