2005年1月17日(月)「しんぶん赤旗」

NHK「慰安婦」 番組改ざん問題

安倍氏が事前に内容知り介入

テレビ朝日系番組 小池政策委員長が批判


 「従軍慰安婦」問題を扱ったNHK番組の改ざん問題が十六日のテレビ朝日系番組「サンデープロジェクト」でとりあげられました。出演した日本共産党の小池晃政策委員長は、自民党の安倍晋三幹事長代理が、官房副長官当時に特定の番組について事前に内容を知り、「公平・公正に」と発言したことは政府・自民党による介入だと厳しく批判しました。

 番組の冒頭、安倍氏が出演。放送前日の二〇〇一年一月二十九日にNHK関係者から番組について「いろいろな批判的な意見も紹介しながらちゃんとした番組をつくっていますという話だった」「それはもう反論も入っているし、とこういう話であった」と、番組の構成や変更点についてNHK側から具体的な説明があり、そのうえで「公平・公正にお願いします」と述べたと弁明しました。

 小池氏は、安倍氏が「朝日」(十二日付)のコメントで「中立的な立場で報道されねばならず、反対側の意見も紹介しなければならないし、時間的な配分も中立性が必要だ」と述べていることを紹介し、「番組内容を知っていなければそんなコメントを出せるはずがない」と指摘。「一般論でなく、特定の番組について『公平・公正に』といったら、これはいまつくっている番組は公平・公正じゃない、といっていることで、まさに番組にたいする介入だ」と批判しました。

 番組のコメンテーターも「番組が放送される前に当時の官房副長官に(NHKが)お伺いをたてるということはやはり異常」「『公平・公正に』ということが客観的には政治圧力になるのではないか」と指摘しました。

 また、自民党の与謝野馨政調会長が「予算の時期には(NHK関係者が)説明にくる」と述べたのに対し、小池氏が「放送総局長がきますか」と指摘すると与謝野氏は返答に詰まり「いろいろな人がくる…」とことばを濁しました。

 さらに小池氏は安倍氏が介入した「従軍慰安婦」問題は「官房長官談話(一九九三年八月)で政府の結論が出ている。その国際公約を踏みにじったものだ」と指摘しました。

 民主党、社民党の代表も、国会の場で真相を解明する姿勢を明らかにしました。


 官房長官談話 「従軍慰安婦」問題についての一年半以上にわたる政府の調査結果を、一九九三年八月に河野洋平内閣官房長官の談話として発表したもの。

 旧日本軍が関与して、朝鮮などにおいて「慰安婦」が本人の意思に反し強制的に集められた事実を認めています。

 多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけたことを反省、謝罪。歴史の真実を直視し歴史教育などを通じて長く記憶にとどめ同じ過ちを繰り返さない決意を表明しています。



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