日本共産党

2004年12月10日(金)「しんぶん赤旗」

C型肝炎で問題の血液製剤フィブリノゲン

全納入先 ようやく公表

厚労省 検査、カルテ保存など要請


 旧ミドリ十字(現三菱ウェルファーマ)の血液製剤フィブリノゲンによるC型肝炎感染問題で、厚生労働省は九日、全納入先に当たる六千九百三十三医療機関の名称や所在地などの調査結果を初めて公表しました。投与された可能性のある人に肝炎検査の受診を呼び掛けるとともに、医療機関に対し、問い合わせへの対応や当時のカルテの保存などを要請しました。


表

 医療機関の公表は、薬害肝炎訴訟原告団などが運動で求めてきたものです。厚労省はこれまで、「医療機関の不利益と患者の利益のバランスの中で判断した」などと納入先について非開示としてきました。今年二月に内閣府の情報公開審査会が開示を答申したことを受け、ようやく公表を決めました。

 今回公表に踏み切ったものの、被害者団体などが要求する肝炎検査の無料化については、「特別扱いはできない」として、自己負担による検査受診を求めています。

 同省によると、全納入先のうち名称などが特定された医療機関は全国にわたります。現在も存続しているのは五千三百九十八施設。名称が特定できなかった施設でも、都道府県名など判明した断片情報を公表しました。

 納入した期間やカルテの保管期間、納入した診療科、患者への告知の有無なども公表。医療機関側のコメントも掲載し、「納入された事実はない」「投与していない」などと答えた施設も、明確な証拠がある場合を除き公表対象としました。

 肝炎は自覚症状がなく進行し重症化する恐れがあります。国の責任で、フィブリノゲン投与の可能性のある人を早期に検査し、病気を発見し治療することが必要です。

 公表医療機関の一覧は、厚労省ホームページhttp://www.mhlw.go.jpに掲載されています。



カット

 フィブリノゲン 血液中の凝固因子が欠乏し、出血が止まりにくい患者の治療薬として、一九六四年に製造承認された血液製剤。出産時の止血剤や外科手術用の接着剤などにも広く使われました。製造・販売元の旧ミドリ十字は八○年以降、約二十八万人がフィブリノゲンを使用し、うち約一万人が感染したと推定しています。東京、大阪、福岡、名古屋などで、感染者が国などを相手に提訴しています。



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