日本共産党

2004年12月5日(日)「しんぶん赤旗」

障害児学級をなくさないで

お母さんたちが手記で訴え

子どもの生活の土台です

埼玉・草加市


 「障害児(特殊)学級をなくさないで」という声が各地でおきています。文部科学省は学習障害児など軽度発達障害の子どもにも対応する特別支援教育を進めるにあたって、障害児学級をなくして、特別支援教室にする方針を打ち出しているからです。埼玉県草加市の「草加特殊学級を守る会」のお母さんたちは、障害児学級を守ってと訴える運動を広げています。

 竹本恵子記者


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障害児学級なくさないで。上野さん(右)と高松さん

 会の代表を務める草加市の上野未香さん(39)らは「障害児学級がなくなる」ときいてびっくり。学習会を開きました。障害のある子どもは、普段通常学級に在籍し、障害に応じて必要な時間を特別支援教室で過ごすこと、教室には担任を置く保障がないことを知り、不安を感じました。

 小三になる息子が障害児学級に通う上野さんは「息子は環境の変化に敏感です。学校の事情などで通常学級の子どもたちとの交流が日常より増えると、強いストレスを感じて教室に入れなくなることもあります。この子が何十人も子どものいる通常学級に籍を置くことになったら、学校にいけなくなってしまうのではないか、不安です」といいます。

 自分たちの意見をきいてもらうために組織をつくろう―とこの夏、同市の小学校内の障害児学級に子どもを通わせる保護者ら四十数人で「草加特殊学級を守る会」を結成。手記集『わたしの願いをきいてください』を作りました。父母の切実な願いがつづられています。

 「子どもは通常学級へ音楽の時間に交流にいって…とても楽しみにしています。生活の土台である特殊学級がちゃんとあって、精神的に安定しているから…子どもの居場所を奪わないでください」「一、二年生は普通学級でした。二年生で、クラスメイトからいじめにもあい…保健室に行く回数が増えていきました。(特殊学級で)毎日が楽しく、勉強はわかるし、充実した毎日」

 手記集は市議会議員や、中央教育審議会の委員全員に送りました。

 文部科学省の人に直接話をきいてほしいと、地元衆院議員の仲介で十月末には、六人の母親たちが成長した子どもたちの作品をもって政府に要望しました。

 中教審の「中間報告」には、こうした意見を「配慮」するという文言が入りました。

 小学二年生になる自閉症の娘のいる副代表の高松晃子さん(36)は、運動に参加するのは初めてです。「娘は特殊学級で、お友達の働きかけで初めて人と目をあわせてあいさつできるようになったり、先生のおかげで確実に学力をつけたりしてきています。娘のためにならない制度の変更なら黙っていられない。個々の状態にあった教育ができるようにしてほしい」

 これから、中教審の「中間報告」への意見を届けたり、市内の障害児学級のない学校に学級新設を要望したりすることにしています。

 特別支援教育 従来の障害児教育の対象となっている子どもに加え、学習障害や注意欠陥多動性障害、高機能自閉症などの子どもたちを対象に特別な支援を行うもの。開始にあたり既存の障害児教育の再編をうちだしました。どう制度化するか、文部科学省は中央教育審議会に意見を求め、審議会は十一月二十六日、「中間報告」を了承。特殊学級を見直して、特別支援教室にする方向を明らかにしました。




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