2004年10月4日(月)「しんぶん赤旗」
![]() 被災者の健康を尋ね激励する瀬古氏=3日、海山町相賀 ![]() 床上2唖の被害をうけた家屋=3日、海山町 |
台風で大きな被害を受けた三重県海山町では三日、日本共産党の呼びかけで、ボランティア七十人以上が復興に汗を流しました。
町全体では、約五百人がボランティアを登録。七月に豪雨災害をうけた福井県から「あの時のボランティアのお礼をしたい」と大型バスで駆けつけた団体もありました。
被災した家々は、一階部分をすべて失い、床板をはがして乾燥、消毒しています。泥と消毒液で異臭が漂い、毎日雨が降る中、被災者にも疲れが見え始めています。
水害では家自体が倒れるわけではないため、「全半壊」にはあたらず、ほとんどが被災者生活再建支援法の対象外とされてきました。これまで「せめて畳を援助してほしい」などの被災者の強い声に押されて、支援法では対象外の床上浸水に福井県は六十万円、新潟県も三十万円を支援しました。
住民の健康も心配です。同町相賀で喫茶店を経営する水谷幸代さん(62)は、自宅の泥だし作業などが一段落したとたん、体調を崩してしまいました。
「夜もあれこれ考えて眠れません。やはり家族と自分の健康が心配です。改修に二百万円はかかる。店をやめようとも思ったが、年金出るまであと三年、頑張ろうとも思う」と、今後を心配しています。
職場の人に誘われて名古屋市から党のボランティアに参加した尾関亮太さん(22)は、水害で使い物にならなくなった養殖カキの作業場の撤去を手伝いました。
「一瞬で電化製品も何もかもだめになってしまったんですね。現場に来て本当の大変さが分かりました。帰って両親に話したいし、来週も来たいです」と語ります。日本共産党の瀬古由起子前衆議院議員は、三日、同町を訪れ、むろ医療生協尾鷲診療所の松林研二医師(51)とともに被災地を回り、体調を崩したお年寄りなどを激励して回りました。
瀬古さんは、「どこに行けば何があるのか、できるのか。一人ひとりにていねいに情報を伝えることが求められています。疲れがたまり、これから体調をこわすかたが増える時、行政としても一人ひとりきめ細かく回ることが大事です」と話しています。
希望の光を見いだそうとしている被災者をどう救済し生活を再建するのか、大きな課題です。
今夏、日本列島はまるで亜熱帯に移動したような猛暑に襲われました。気象庁が今月初めにまとめた気候統計などによると、台風21号で八個目の台風が日本に上陸。最多記録だった一九九三年と九〇年の六個を上回りました。これまでの台風上陸は通常二、三個です。
台風の発生が目立ったのは六月と八月。六月としては最多の五個が発生して二個が上陸。八月にも平年の五・五個を上回る八個が発生し、上陸は三個。相次ぐ台風上陸は、フィリピン付近の海水温が平年より高くなって、大気の対流が活発化した影響とみられています。
台風は北緯五度以北の海水温二六―二七度以上の海上で発生します。この水温の高い海域が平年より北寄りになったため、日本の近くで発生した台風が次々と上陸する形になっていました。増田善信・気象研究所元研究室長のように「今年の台風の発生場所が北に偏っているのは、地球温暖化の影響である」と見ている専門家も少なくありません。
徳島大学の岡部健士工学部教授は、海水温が異常に高く大気に水分が供給され、「台風が発生しやすくなり、日本列島の限定された地域に長い時間雨を降らせる帯状の降雨域(バンド)ができやすくなった」と指摘。日本の降雨の特性もここ数年で急激に変化し、これからも「記録的な豪雨がゲリラ的に発生する可能性が従来に比較して数倍にも高くなっている」と、地球温暖化の影響に注意を喚起しています。