日本共産党

2004年9月21日(火)「しんぶん赤旗」

「いい医療」金次第

政府方針の「混合診療」


 保険証一枚あればだれでも、どこでも平等な医療が受けられる―そんな日本の皆保険制度が「混合診療」の解禁でくずされようとしています。小泉首相は十日、経済財政諮問会議で「年内に解禁の方向で結論をだしてほしい」と指示。同会議で竹中金融相も年内解禁の方向性を示しました。坂口厚労相は十四日、「一つのルールを作って、一定の範囲内で認めていく」とのべています。

 混合診療は、公的保険がきく診療と、先端技術など公的保険のきかない診療(自由診療)を併用するものです。政府は公的保険を縮小することで、保険の財源となる国庫負担を減らすことができます。一方、自由診療が普及・拡大すれば私的保険の市場拡大になります。これは財界がかねがねねらっていたもの。行き着く先は、市場原理が強くはたらく不平等な「アメリカ型医療」です。

 八月三日には、政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)が年末答申の「中間とりまとめ」に「今年度中の全面解禁」を明記しました。

 混合診療の解禁には多くの医療団体が反対しています。

 日本医師会は、混合診療を認めれば、現在公的保険でみている療養までも、保険から自由診療へと外される危険性を指摘しています。自由診療を受けるには多額の費用が必要です。お金持ちほど「いい医療」が受けられ、お金のあるなしによって治療の内容に格差が生まれます。

 日本病院会など病院四団体も混合診療解禁の阻止に向けた運動を起こしています。全国保険医団体連合会は一貫して反対。中央社会保障推進協議会は、高齢者、健保本人の医療費窓口負担を軽減する要求とともに、混合診療解禁に反対する学習と署名運動にとりくんでいます。



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