日本共産党

2004年9月15日(水)「しんぶん赤旗」

メキシコ 史上初

左翼の女性知事就任 サカテカス州

住民参加の政治生活向上へ決意


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任式で宣誓するアマリア・ガルシア新サカテカス州知事(右)=12日、メキシコ・サカテカス州議会議事堂

 メキシコ・サカテカス州の州都サカテカスで十二日、中道左派政党、民主革命党のアマリア・ガルシア新知事の就任式が行われました。

 七月の選挙で当選したガルシア氏は、旧メキシコ共産党出身で一貫して左翼的潮流の政治家として活躍してきました。メキシコでは史上初の左翼出身の女性知事の誕生です。

 サカテカス州は、全国三十一州のうち民主革命党が政権をになう四州のうちの一つ。六年前に誕生したモンレアル前政権は長年にわたる中道右派政党、制度的革命党の支配で生まれた財政難を克服し、雇用創出のための大規模な公共事業の推進、生産力向上のための農業生産者の組織化などを進めてきました。

 ガルシア新知事は就任式で、前政権の努力をひきつぎ、住民参加型の政治を促進し、州民の生活向上のために全力をあげる決意を表明しました。

 就任式後、州庁舎前のアルマス広場で就任記念集会が開催されました。新知事が入場すると、約五千人の参加者から大きな拍手がわきおこり、メキシコ国旗を象徴する赤、白、緑の紙ふぶきが舞いました。

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 メキシコでは、一九八〇年代以降、中央政府が民営化や規制緩和など新自由主義経済政策を徐々に推し進め、多国籍企業の利益につながらない小規模農業が切り捨てられるもとで、農村部の失業や貧困が深刻化してきました。サカテカス州は主要産業であった鉱山業が五〇年代から不振に陥っていた事情があり、極端な仕事不足のため、米国への移住者が増大。州人口と同じ数のサカテカス出身者が米国に暮らしているといわれています。

 ガルシア知事は、新自由主義の横行で、市場の原理からはじき出された多数の人々が貧困にあえいでいることにふれながら、こうした政策を転換し、「すべての人が勝ち組となれる新たな代案モデルを、ここサカテカスからつくりだそう」と強調。就任前から穀物加工企業と交渉を続けた結果、約千人の新規雇用につながる新工場建設が実現する予定であることを報告するなど、住民生活向上のための新たな施策の一部を紹介しました。

 新知事を応援する大きな横断幕をもって演説を聴いていた女性モニカ・マルティネスさんは、「モンレアル(前知事)は住民本位の変革へ道を切り開いた。アマリア(新知事)には、その道をさらに前進して、本格的な改革を実現してほしい」と期待を語っていました。

 (サカテカス<メキシコ中西部>=菅原啓 写真も)



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