日本共産党

2004年9月12日(日)「しんぶん赤旗」

第3回アジア政党国際会議

「北京宣言」(全文)


 三日から五日まで北京で開催された第三回アジア政党国際会議の最終日に採択された「北京宣言」(全文)は次の通りです。

 1、われわれ三十五カ国から来た八十一政党の指導者および代表は、二〇〇四年九月三―五日に中国・北京で中国共産党が主催する第三回アジア政党国際会議に出席した。

 2、二〇〇〇年九月に創設されたアジア政党国際会議は、アジア各国の政党が、平和と発展という時代の流れに順応し、アジアの地域協力の急速な発展のはずみに適応し、政党の国際交流および協力の拡大をめざすこれまでにない重要な事業である。それは、アジアの各主権国家の合法政党が、政治的理念を交流し、政治的コンセンサスを探求し、理解と信頼を増進する重要なフォーラムとなっており、政党の独自の役割を発揮して地域協力と共同の発展を促進する新たなルート、新たなメカニズムとなっている。今回のアジア政党国際会議は、アジア各国の政党の国際交流に新たな活力を注ぎ込んだ。

 3、「交流、協力、発展」は、今回のアジア政党国際会議の鮮明なテーマであるとともに、アジア各国の政党と政治家の担うべき歴史的責務でもある。会議に参加した各国政党の指導者と代表は、地域の安全保障と多国間協力、経済発展と社会進歩、党建設と国の発展という三つの議題について突っ込んだ討論と交流をおこない、積極的な成果を収めた。そして、相互の友好、交流、協力をいっそう強め、相互理解・信頼とコンセンサスを増進し、アジアの平和、安定、団結をともに擁護するという目標を達成した。

 4、時代の流れに順応し、地域交流・協力を拡大し、共同の発展を促進することは、アジア各国の政党、政治家、人民の共通の願いとなっている。アジアの協力は排他的なものではなく、いかなる第三者に向けられたものでもない。アジアは世界に開かれるなかで発展し、世界との接触のなかで進歩しなければならない。われわれは、国連憲章、平和五原則および「バンドン精神」十原則の目的と精神にしたがい、対話と協議を通じて相違点を解決することを主張する。われわれは、相互信頼と互恵、平等と協力を通じて、現在の国際秩序における不公平、不公正な面を徐々に改革し、国際関係の民主化のプロセスを積極的に推進し、アジアの平和、安定、調和、繁栄をともに推進することを提唱する。

 5、アジアの急速な発展は、平和的な環境によるものである。発展のはずみを保つには、この地域の安全と安定に依拠しなければならない。ここ数年、アジア地域の情勢は全体として安定しており、平和、発展、協力がアジア情勢の主流となっている。しかし、伝統的、非伝統的な安全保障問題がもつれ合い、いくつかの新旧の紛争問題が依然として関連諸国・地域の平和と安寧に影響を与えている。アジアの長期的な平和と安定をいかに保つかは、アジア各国の政党と政治家が熟考するに値する重要課題である。われわれは、戦争、侵略、覇権に反対する。われわれは多国間協力に尽力し、正義によって平和が確保されると信じる。われわれは、アジアの諸国と政党が地域の紛争や危機を平和的に解決するために払っている努力を称賛し、紛争の地域を協力の地域へと変えることを主張する。

 6、テロリズム、分離主義、過激主義は、人類社会の共通の害悪となっている。われわれは、いかなる形態のテロリズムも強く非難し、反対する。主権国家間および地域機関間の反テロ協力を強め、テロリズムが生まれる根源を除去する措置をとり、国連の重要な役割を十分に発揮させ、二重基準をとらず、反テロを特定の民族や宗教と関連づけないことを、われわれは主張する。

 7、アジアは世界で最も発展の活力をそなえた地域の一つであり、世界貿易の重要な成長地域でもある。われわれは、アジア経済の発展の見通しに大きな自信を持っている。同時に、われわれは、経済のグローバル化が世界各国と各国人民に好機と試練をもたらしていることを十分に認識している。アジア各国は、協力を強めてこそ好機を共有できるのであり、同舟して助け合ってこそ困難に打ち勝つことができるのであり、自身を強くするために共同してこそ激しい世界の競争のなかで不敗の地に立つことができるのである。貧困を根絶し、豊かさを実現することは、あらゆる国と政党、国際社会の神聖な責務である。各国政府による貧困援助戦略の策定を奨励し、国際協力を強め、多様な貧困援助措置を履行して、貧困がなく、ともに豊かなすばらしい世界の創出に努めなければならない。

 8、エネルギー問題は各国の経済安全保障と持続可能な発展にとって重要であり、エネルギー資源の安全は国際社会がともに直面している問題である。エネルギー協力は、アジア地域協力の重要な構成部分になりうる。各国は、互恵と共同の勝利の原則にのっとって対話と協力を強め、アジアの持続可能な発展を共同で促進しなければならない。

 9、われわれは次のことを主張する。アジア各国は、自国の国情にもとづいて自らの発展の道と発展モデルを選択し、経済や社会などの分野での協調、交流、協力を強め、発展に有利な外部環境の創出に努めなければならない。アジア各国はともに、新たな発展概念を刷新し、発展についての思考方法を開拓し、発展の含意を豊かにすることに尽力し、この地域の経済と社会、都市と農村および人と自然の、調整され、持続可能な発展の促進に努めなければならない。アジア各国は、地域の全体的な政治的安定、経済の不断の成長、地域協力の深化という有利な機会をつかんで、経済・貿易協力を強め、段階的に市場の相互開放をおこない、協議によって貿易摩擦を解決し、多角的貿易体制の健全な発展を推進しなければならない。

 10、アジア各国の歴史、文化、伝統は豊かで多彩なものであり、社会や政治の制度は異なり、経済発展の水準もまちまちである。われわれは、各国の歴史的伝統、文化的差異、多様な発展の道を十分に尊重することを基礎として、異なる文明間の対話を強め、相互交流のなかでともに発展をはかり、相違点を残しつつ共通点を求めるなかでともに勝利することを主張する。

 11、アジア各国の政党は、国民経済の発展、社会の安定の維持、民主主義と法制度の促進という歴史的責務を担っている。アジア各国が近代化へと進むなかで、各国の政党は、時代の発展の要請にたえず順応しなければならない。社会的・政治的安定を実現し、自国の近代化と発展を促進するために、各国の政党は、党建設を大いに強めることによって効率的で清潔な政府の建設を促進し、政党と議会、政党と政府、政党と市民社会との関係を強めることによって国内のさまざまな関係を効果的に統合しなければならない。

 12、アジア各国の政党は、大きいか小さいか、強いか弱いか、歴史が長いか短いかにかかわらず、完全に平等でなければならず、相手の独立・自主の権利を尊重し、相手の選択と経験を尊重し、相手が自らの国情にもとづいて策定した内外政策を尊重しなければならず、相手の内部問題への干渉を控えなければならない。イデオロギーの違いによってアジア各国の政党の相互接触と協力が妨げられてはならない。相互間に存在する相違や矛盾については、相違点を保留しつつ一致点を求める精神にのっとり、対話と協議によって適切な解決をはからなければならず、相違点は一時的に棚上げして、双方関係の正常な発展に影響を与えないようにする。われわれは次のように主張する。アジア各国の政党は、積極的な接触と協力を通じて国家関係の健全で安定した発展を促進しなければならない。アジア各国の政党は、たえず協力の含意を豊かにし、協力の潜在力を掘り起こして、経済発展の促進、社会進歩の推進、地域の安全の擁護の面において、おのおのの独自の役割を十分に果たさなければならない。

 最後に、われわれは、尊敬する中国共産党および中国共産党の指導者たちに心からの感謝を表明し、第三回アジア政党国際会議を成功裏に開催するためにおこなった積極的な努力と卓越した貢献に感謝する。



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