日本共産党

2004年7月29日(木)「しんぶん赤旗」

全労連第21回定期大会への

市田忠義書記局長のあいさつ (大要)


 二十八日に東京都内で開かれた全労連第二十一回定期大会への日本共産党の市田忠義書記局長のあいさつ(大要)は以下のとおりです。


 みなさんおはようございます。全労連の第二十一回定期大会にあたりまして、日本共産党を代表して心からの連帯のあいさつを申し上げます。

「二大政党」づくりと対抗する「国民中心の新しい政治」を共同でつくりだそう

 先の参議院選挙では、みなさんの期待にこたえることができず、議席を大きく後退させました。責任を痛感しております。

 今度の選挙戦で私たちは、年金、消費税、雇用と労働条件、イラク派兵、憲法改定などの熱い争点について訴えるとともに、日本の政治の大本にある、「アメリカいいなり」「財界主役」、この二つのゆがみを告発して、道理ある論戦を展開しました。これは今後のたたかいに、必ず生きると確信しております。

 選挙戦を通じて、自民党の支持基盤の崩壊の大きさが、あらわになりました。

 今度の選挙戦で、主要五政党のなかで、昨年の総選挙と比べて得票率を減らしたのは、自民党だけでした。減らした得票はおよそ四百万票であります。

 民主党は、自民党批判の流れを取り込みましたが、その政治路線はみなさんもご存知のように、消費税の増税や憲法改定という支配層の根本要求、国政の中心課題では自民党政治と同じ土俵、同じ流れの中にあることは明白であります。

 今度の選挙結果が、大変残念ではありましたが、けっして消費税の増税や憲法改悪に白紙委任を与えたものでなかったことは明白であります。私たちは今度の参議院選挙の結果から、しっかりと教訓を導き出して、「二大政党制」づくりと対抗する、「国民中心の新しい政治」を起こすために、みずからの奮闘と努力、そして広い国民のみなさんとの共同の力で、それをつくりだすために、今後とも全力をあげる決意です。今後ともの大きなご支援、ご協力をあらためてお願いする次第です。どうぞよろしくお願いします。(拍手)

全労連が労働戦線と日本社会で果たしてきたかけがえのない役割

 さて今度の全労連大会は、全労連が結成されて十五年目の記念すべき年に開かれております。あらためて結成十五周年をお祝い申し上げますとともに、この十五年間、全労連が労働戦線と日本社会で果たしてきた役割は何か、その問題についてみなさんとご一緒に少し考えてみたいと思います。

 第一は、生活と権利、労働条件を守るという労働組合の原点を堅持して、労働者の切実な要求の実現のために奮闘してこられたということであります。

 いま高水準の失業率と生活保護費にも満たない低賃金、大規模にすすめられている正規雇用の不安定雇用化などに象徴されるように、リストラ・賃下げ攻撃によって労働者の生活苦、労働苦というのは極限にまで達しています。

 ところが一部の大企業労組は、労働組合運動の原点すら投げ捨てて、企業の利潤追求と生産活動を補完する組織への変質ともいえる動きを強めています。

 そういう状況のもとで、いまほど労働者の切実な要求を実現するという、労働組合本来の役割が求められているときはないと思います。全労連がすすめている、すべての労働者を視野に、切実な要求にもとづく「総対話と共同」は、大多数の労働者にとってどんなに頼もしいものでしょう。いま全労連の存在と活動は、ますます輝きを増していると私は確信しています。

 第二に、財界いいなりの自民党政治が、「構造改革」と称して国民の生活と営業を破壊し、増税や福祉切り捨てなどの「痛み」を強いてきたのにたいし、国民各層の要求を積極的に掲げて全労連が奮闘してきたことであります。

 全労連は、消費税増税反対、地域経済と営業を守れ、食と農業を守れなど、国民各層に共通する課題を積極的に掲げてたたかってこられました。

 とりわけ今年の春闘で、年金改悪阻止を「最大の国民的課題」と位置づけ、全国統一ストライキに決起したことは、国民世論の先頭にたち、国民全体の利益を擁護するという労働組合の社会的役割を果たしたものとして、私は画期的な意義をもったと思います。

 第三に平和と民主主義、国政革新の課題を積極的に掲げて奮闘してこられたことです。

 今日、日本の平和と主権を脅かす根源には、いうまでもなく、アメリカいいなりの自民党政治があります。

 全労連は結成以来、この苦難の根源にしっかりと目を向けて、有事立法反対、自衛隊の海外派兵反対、日米安保条約反対、核兵器廃絶など、これらの課題を積極的に掲げるとともに、国政と地方政治の民主的な転換を求めてたたかってこられました。今大会の方針には、「この二年間、憲法を守るたたかいが、日本の戦後史をかけた課題となる」とされ、日本の知性と良心を代表する人々がよびかけて発足した「九条の会」のよびかけに全面的に賛同し、奮闘すると明記されています。日本の進路をめぐる重大なたたかいで、労働者の組織された力の発揮が、いまほど求められているときはありません。

 全労連のみなさんが、生活と権利、雇用と労働条件を守るたたかいはもちろんのこと、当面する国政の最大課題となる消費税増税と憲法改悪を阻止するたたかいで、国民的共同を広げてさらに前進し、組織的にも大きな成果をおさめられることを心から期待するものであります。

 日本共産党もみなさんと力をあわせて、全力をあげてたたかう決意を重ねて申しのべて、大会への連帯のあいさつといたします。ごいっしょにがんばりましょう。(拍手)


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