日本共産党

2004年6月23日(水)「しんぶん赤旗」

ここが知りたい 参院選特集 中小企業対策

中小企業

日本経済の主役らしく扱われてきたか


グラフ 中小企業は「日本経済の主役」です。ところが、小泉内閣は中小企業を「不良債権」扱いし、予算でも大企業と比べ極端な「手抜き」をしてきました。いまこそ、「主役」にふさわしい中小企業対策が必要です。

小泉内閣は「不良債権」扱い

民主も“処理急げ”とあおる

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予算も対策も日本共産党は充実を訴え

 日本共産党は、金融でも、経済のルールでも、経営支援でも中小企業対策に正面からとりくむ政治にきりかえることが大切だと考えています。

金融

銀行投入額の一割で60兆円の保証が可能

 小泉内閣が「金融再生」の名でおこなったことは、三十兆円もの公的資金を大手銀行らに投入し、破たんした旧日本長期信用銀行(長銀)を十億円で米系投資会社に売り飛ばしたことです。その一方で、多くの中小企業は「不良債権」扱いされ、融資が打ち切られたり、倒産に追い込まれました。銀行の中小企業向け融資は小泉内閣のもと約五十六兆円も減らされてしまいました(四月末現在)。不良債権の最終処理をもっと急げとあおってきたのが民主党でした。

 中小企業と金融機関の「かけ橋」となっている信用保証協会の保証機能を拡充することは急務です。

 民間の信用調査会社は、この間の企業倒産件数の減少について「信用保証協会による相次ぐ保証制度の拡充は、一応の倒産防止効果を発揮したということができる」(東京商工リサーチ)と分析しています。

 大銀行を中心に投入された三十兆円もの公的資金の一割を回すだけでも、これまでの実績からみても、六十兆円規模の貸し付けに対する保証が可能となります。「資金繰り円滑化借換保証制度」を、保証枠の拡大など、さらに充実します。

 大企業やゼネコン向けの日本政策投資銀行には、政府からの出資金が一兆二千億円にのぼっています。ところが、国民生活金融公庫や中小企業金融公庫への出資金は、それぞれ三千億円から四千億円程度。中小企業向けの公的金融こそ重視すべきです。

ルール

下請けへのいじめや大型店の勝手許さず

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 ヨーロッパでは当たり前になっているルールが中小企業分野でも確立されていません。

 「(親企業の)コストダウン要請はますます激化」「単価が下落、採算は悪化」(全国中小企業団体中央会の五月の下請け企業調査)という状態が続いています。下請け代金の「遅延」による支払い命令は一億二千四百万円と過去最高、「減額」による支払い命令は五億一千九百万円と過去三番目(二〇〇三年度、公正取引委員会報告)というひどい数字も氷山の一角にすぎません。

 親企業と下請け企業との対等平等な関係を築くことが必要です。下請検査官を大幅に増員し、下請代金支払遅延等防止法、下請中小企業振興法を改正・強化して、大企業に対する中小企業の地位向上をはかります。

 小泉内閣は規制緩和が世界の流れであるかのように宣伝しています。しかし、ヨーロッパはもちろん、アメリカでも、一九九〇年代に入り、大型店による郊外乱開発と都市の空洞化が大問題になり、「規制緩和」から大型店の規制へと大きく転換しています。たとえば、フランスでは三百平方メートル以上を対象に許可制。米バーモント州では四万平方メートル以上の開発はすべて環境委員会が審査します。

 日本の大型店出退店野放しは異常です。とくに、自民、公明、民主、自由らの賛成多数で大規模小売店舗法(大店法)廃止関連法案が成立(一九九八年五月、二〇〇〇年六月施行)して以降、超大型店の出店計画が相次いでいます。

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 日本共産党は、住民と自治体が、自らのまちづくりの一環として、大型店の出退店や営業時間などのルールを確立できるように提案しています。

 サミット(主要国首脳会議)参加国で「納税者憲章」がないのは、日本とロシアだけです。納税者の申告納税権、調査の事前通知やプライバシー保護、立会人を置く権利など、適正な税務調査を受ける権利、税務署の推計課税を限定し、処分に不服のある場合の救済を求める権利など、納税者の権利をまもるルールを確立します。

経営支援

予算2%に引上げで1兆円が確保できる

 大企業・大手銀行の応援とアメリカの要求にこたえることしか頭にない自民党政治。中小企業は、予算でも「手抜き」の対象とされてきました。

 〇四年度の中小企業予算は千七百三十八億円で、在日米軍への「思いやり予算」二千四百四十一億円より少なく、国の一般歳出に占める割合は0・36%にすぎません。これを、東京・墨田区並みの2%(商工業融資関係費を除く中小企業振興予算)にするだけでも約一兆円の中小企業予算が確保でき、経営基盤を強化する支援をおこなうことができます。

 経済産業省の大企業向け研究開発補助金は上位十社だけでも約四百十四億円です。一方、約五百万社の中小企業全体の研究開発補助金は七十三億円にすぎません。日立製作所一社の八十七億円よりも少ない額です。技術力はあるものの、資金力に乏しい中小企業にこそ、こうした補助金を本格的に注ぎ込むべきです。

 また、行政機関や商工会議所、地域金融機関などがもつ経営ノウハウを活用できる仕組みをつくり、中小企業が、経営や再生計画などについて気軽に相談できるようにします。


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