日本共産党

2004年6月3日(木)「しんぶん赤旗」

競技力向上の予算 どうなっている?


 〈問い〉 女子ホッケーがアテネ五輪に参加できることになりましたが、強化費が少なくて海外遠征もできないと報道されています。競技力向上のための予算はどうなっているのですか?

  (埼玉・男性)

 〈答え〉 初の五輪出場という快挙を成し遂げたホッケーの日本女子代表ですが、監督が提示したアテネまでの強化費3千4百万円のうち、日本ホッケー協会が出せるのは1千万円だけです。7月に予定していたアテネ遠征も中止となりました。競技人口も少なく、テレビ放映もないホッケーの年間の強化費はわずか2千万円です。これは、サッカーの180分の1、バレーの9分の1です。月1回の合宿も、スタジアムに近い女子大の寮の「娯楽室」に雑魚寝をして、少ない費用でやっている状況です。

 近年は、日本のトップスポーツを支えてきた企業スポーツが不況などを理由にあいついで撤退しており、競技団体は強化費捻出(ねんしゅつ)に頭を抱えています。このまま放置すれば、日本の競技力は種目間の格差がますます拡大し、同じオリンピック選手でも個人負担に格差が広がるばかりです。これを是正し、日本のトップ選手が安心して競技に専念できるようにするためにも、政府の競技力向上策の充実とその予算の増額が求められています。

 しかし、政府はこれまで、競技力向上の長期的な計画をなおざりにし、予算も「サッカーくじ」の収益金頼りだけで、選手やコーチ、競技団体まかせにしてきました。最近ようやく国立スポーツ科学センターができましたが、選手養成、強化のためのナショナルトレーニングセンターをもっていないのは、サミット参加7カ国のなかで日本だけです。

 お金を出さず施設もつくらず、ただ「メダルを取れ」とかけ声だけかける政府のこれまでのやり方をあらため、トップレベルの選手やコーチへの支援を強めていくことです。国として競技に専念できる環境整備をするとともに、ジュニアから一貫して選手をサポートする体制を強化する必要があります。(鳥)

 〔2004・6・3(木)〕


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