日本共産党

2004年3月9日(火)「しんぶん赤旗」

全学連大会討論から

学生の願い実現へ奮闘

学費値上げ阻止へ署名


 七日まで東京都内で開かれていた全日本学生自治会総連合(全学連)第五十五回定期全国大会では、四月からの国立大学法人化で「学費はどうなるのか」との学生の不安が高まっているもと、大会の討論などでは学生自治会の役割がクローズアップされました。

 学費は初年度納付金で国公立約八十万、私立で平均約百二十万円を超えています。政府は国立大学の法人化にともない、毎年各大学に交付する予算(運営交付金)を減らす計画を進めています。その結果、学費が上げられる可能性があります。

共同を進めて

 信州大学では、一年生を中心に千五百人余から学費値上げに反対する署名を集め、大学に提出。学長も「一方的に一定期間ごとに必ず増額するようなしくみをつくることは、絶対にいけないと思う」(信州大学広報一月号)と表明しています。自治会は今後、大学人とも共同を進めていこうととりくんでいます。

 私立の日本福祉大学では、毎年学費が一定額ずつ値上げされる「ステップ制」が長年の課題でした。今年度、学生の要求を集めて大学側と交渉した結果、制度凍結をかちとることができました。

 学生の要求にこたえる活動も前進しています。

 「全学協議会(学生、教職員など全大学構成員を集めた大会)を通じて学生交流施設建設、食堂・駐輪場の増設、学内奨学金枠の拡充などの成果をかちとった」(立命館大学)、「国立大法人化問題の署名で学生の声を集め、国会前で座り込みをした」(東京大学)

 共通しているのは、学生の要求をつかむためアンケートや一言カードにとりくんできたことでした。京都市立の芸術系大学自治会は、約八百人の学生と対話し、生の声を聞いてきました。取り組んだ学生はいいます。「ほとんどの学生と対話したことが自信になりました。昨年度までは『学費は上がるもの』とのあきらめもありましたが、ことしはこれから市に請願し、学生の声を伝えるべきだと考えています」

一歩踏み出す

 “自治会活動を通じて成長した”という発言も目立ちました。全学連新委員長に選ばれた千葉達夫さん(信州大学)の、「戸惑いながらも自分の言葉でしゃべりだす。一歩を踏み出す、自分が成長できる。そこに、自治会活動のやりがいがあるのではないでしょうか」との発言に、大きな拍手が寄せられました。

 ◇

 全学連は大会で、学生が安心して大学で学べるよう、「“学費値上げストップ、大学予算増額”をもとめる請願署名」をよびかけました。請願項目は▽学費値上げを抑えるため、国立大学授業料標準額のすえおき、私大経常費にたいする国庫補助増額など、国として責任ある手だてをつくす▽学生・父母の学費負担軽減へ、無利子奨学金枠や学費減免制度を拡充する▽以上の項目を実現するためにも、大学予算を大幅に増やす―です。


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