日本共産党

2004年3月2日(火)「しんぶん赤旗」

裏金づくりを告白

報償費疑惑で監査請求

北海道 警察署元次長

弟子屈署 「カラ出張指示」


 北海道警の捜査用報償費などをめぐる不正支出疑惑で、弟子屈(てしかが)署=釧路管内弟子屈町=の元次長、斎藤邦雄氏(56)と市川守弘弁護士は一日、二〇〇〇年度の同署の捜査用報償費三十五万円が不正に使用されていた疑いがあるとして、道監査委員に監査請求しました。記者会見した斎藤氏は、「金庫番」として書類を偽造、報償費を不正支出した体験を語り、「警察は権力機関としてのおごりがあり、今日のような姿になった」「良心のかけらがあるなら、職員をこれ以上苦しめないで」と涙を流して訴えました。

 道警疑惑をめぐる実名での告発は、元道警釧路方面本部長の原田宏二氏に続く二人目。警察官OBによる監査請求は例がなく、警察内部で文書偽造や公金横領などの犯罪行為が組織的に行われてきた疑惑がますます濃くなってきました。

 斎藤氏は一九六六年に北海道警に入り、九七年に旭川方面本部地域課次席、二〇〇〇年に弟子屈署次長を務め、〇一年三月、定年前に退職しています。

 記者会見で斎藤氏は、旭川方面本部時代、裏金の原資をつくるため「部下に指示してカラ出張をやらせた」と告白。課員の警ら作業手当を「ピンはねした」とも語りました。

 また、弟子屈署時代には、支払精算報告書など報償費に関する関係資料を偽造した、とのべ、「自分をふくめた幹部の交際費」などに使っていたことを明らかにしました。

 監査対象は、二〇〇〇年四月から一年間に支出された報償費で、公文書の保存期限内。告発を裏付ける文書も残されており、疑惑解明への一歩とすることが可能です。

 斎藤氏は、「道警の不誠実な対応に怒りの気持ちを抑えきれなくなった。OBを含めて道民に謝罪するときがきた」と声を詰まらせました。

 道警の佐々木友善総務部長は「北海道警察予算執行調査委員会ですでに調査を行っている」とし、監査請求には「できる限り協力したい」とコメントしました。


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