日本共産党

2004年1月15日(木)「しんぶん赤旗」

日本共産党第23回大会 来賓あいさつ


 十三日から始まった日本共産党第二十三回大会では、国内十三氏が来賓あいさつする予定です。第二日の十四日には七氏があいさつしました。要旨を紹介します。


改憲阻む広大な統一戦線を

平和・民主・革新の日本をめざす全国の会代表世話人 成瀬 昇さん

 九条改悪を焦点とした明文改憲の危機が現実のものとなってきました。ここ数年の私たちの最大の政治課題は憲法改悪を阻むことであり、そのためには、参院選で革新民主勢力の勝利をかちとることと、憲法改悪反対の広大な統一戦線の形成が欠かせないと考えます。

 革新懇は昨年九月二十三日、「憲法改悪反対の一点での国民的共同を草の根から広げましょう」との声明を出しました。改憲反対の署名を中心とした運動は、小泉内閣のイラク派兵の暴挙への抗議や反対のたたかいとも結んで広がっています。

 昨年末、緊急に呼びかけた「イラク派兵反対、憲法九条を守ろう」のアピールには、作家の赤川次郎さん、女優の吉永小百合さんら全国革新懇と初めて共同する人たちら五十人の著名人が賛同されました。草の根の運動を盛り上げ世論を高めることは、一つには改憲派を孤立させて改憲を断念させ、いま一つは改憲反対の統一戦線の形成に大きな力になると存じます。この秋には憲法改悪反対の一点での広大な国民大集会を成功させたいと考えています。ともに力を合わせ運動を発展させましょう。(拍手)

 保守二大政党制づくりの策動は、危機に陥った支配体制を延命させるためであり、改憲の策動とも連動し、決して一過性の動きではない。アメリカべったりで国民いじめの政治の永久化をめざすこのような保守二大政党制づくりの対抗軸は、政党では日本共産党、運動では革新懇だと考えます。

 日本共産党は、社会党に四十年いた私からみても、戦前の暗黒時代でも、主権在民、反戦平和の旗を高く掲げて不屈にたたかい、戦後も国政だけでなく地方政治でも憲法を暮らしに生かすために悪政とたたかい、腐敗政治の温床、企業・団体献金を拒否するだけでなく、憲法違反の政党助成金も受け取らず、国民が主人公の民主連合政府をめざし、国民との共同を広げている、ただ一つの政党であり、まさに国民の宝です。(拍手)

 日本共産党の躍進なくして、ともにたたかう革新懇運動の発展なくして二十一世紀の明るい未来は開けてこないと信じます。歴史的な党大会の成功を心から願いあいさつとします。


労働者・国民の力 総結集へ

全国労働組合総連合議長 熊谷 金道さん

 一九八九年の全労連結成から十五年です。結成直前にベルリンの壁が崩壊し、直後には米ソ首脳のマルタ会談がありました。財界・大企業は「資本主義の勝利」などおう歌し、「階級闘争やたたかう労働組合など時代遅れ」といい、一部マスコミも結成にあたって全労連は数年を経ずに崩壊すると酷評しました。

 しかし、全労連は崩壊どころか労働者と国民のくらし、雇用や権利、日本の平和を守り抜くためにたたかい続け、政府や行政の全労連シフトを打ち破りました。いまやその存在はだれもが否定できません。

 勝利したはずの日本資本主義が、労働者・国民に輝かしい未来を示しているかといえば、だれの目から見ても答えは「ノー」です。深刻なくらしや雇用の悪化、社会の荒廃と将来不安の増大など、労働者・国民を足げにしながら、多国籍化した自動車や電機などの大企業だけが史上最高、空前の利益回復をおう歌しているというゆがんだ構造にこそ、日本資本主義の最大の矛盾があります。

 私たちは当面する〇四年春闘で、大企業の社会的責任を徹底的に追及し、くらしや雇用、とりわけ年金制度の大改悪と消費税増税などを阻止するために労働者・労働組合らしくストライキにこだわりながら全力をあげて奮闘します。また、自衛隊イラク派兵、公然たる憲法改悪の策動を断固として阻止するためにも、日本共産党との共同はもとより、これまで以上に広範な共同を追求しながら、日本の平和、憲法擁護、日米軍事同盟の廃棄にむけての運動発展へと力を尽くします。

 今日の局面を打開するカギは、この運動・事業にどれだけ多くの労働者・国民の参加を勝ち取るかに尽きます。既存の枠組みを超えた大きな共同を追求し、どれだけ多くの労働者や国民と双方向での本音の対話をし、目に見え、音に聞こえ、共感を得られる運動を、その担い手を広げながら作りあげていくことが決定的に重要です。第二十三回党大会の討論がきたるべき参院選挙などでの日本共産党の反転攻勢への確固たる意思統一に結びつくことを心から祈念し、革新・民主の流れを大きく前進させるためにともにたたかう決意を申し上げてあいさつとさせていただきます。


法と道理守り住民と団結

兵庫県福崎町長 嶋田 正義さん

 昨年十一月三十日投票で行われた町長選挙で、全国のみなさんの大きなご支援を得て当選させていただきました。この場を借りてお礼申しあげます。(拍手)

 私は、今回ほど激しい選挙を経験したことはありません。相手陣営は、政党では自民、公明、民主、連合。それに加え、県の副知事が弁士に立ちました。

 相手候補は、七年間、私といっしょに町政を進めてきた助役でした。四年前には、私の二期目の当選のために一生懸命頑張ってくれましたので、私たちの選挙の方法もよく知っていました。(笑い)

 私は、こんどの選挙を通して、何よりも住民のみなさんと固く団結していくことを日常から進めてこそ、勝利できるということを実感しました。

 八年前、日本共産党の衆院候補だった私に町長に立候補してほしいという要請がありました。二つの理由からです。

 一つは町長が二人も三人もいるということ。もう一つは第三セクターのもちむぎ食品センターの不正会計を正してほしいということでした。

 町長が二人も三人もいるというのは当選して初めてわかりました(笑い)。職員採用の人事、入札の前、予算の編成のときに、いろんな声が寄せられてくるのです。その時に法と道理にもとづいて対処できるかが町長として試されます。私は町の条例や法規を改正するとともに、町長としてきぜんとした態度を貫きました。こうしたことが町民に評価されたと思います。

 もちむぎ食品センターを調べると、三億七千万円の不正がありました。これを正すために私が社長になり、三年後の今年の決算で、初めて八百三十万円の黒字になりました。(拍手)。こんど、(同センターで)焼酎を開発しました。いいお酒です(笑い)。みなさんに飲んでいただくことによって、民主勢力がさらに大きく発展すると思います。(爆笑)

 相手候補が「流れを変えよう」というのに対して、私たちは「この流れを太く大きくしよう」と訴え続け当選しました。これからも町政発展のために、住民のみなさんと固く団結して全力を尽くしてまいりますので、みなさんのご支援を心からお願いを申しあげ、お礼のあいさつといたします。


残業調査が青年の心動かす

日本民主青年同盟中央委員長 姫井 二郎さん

 日本共産党第二十三回大会にあたり、心からのあいさつを送るとともに、日ごろからの親身な援助にお礼申し上げます。この一年間の運動の中で確信にしている二つのことをお話しします。

 一つは、青年の雇用と平和の運動がこれまでにない規模で広がり、新たな青年結集が始まっていることです。

 ここに東京・港区でのシール投票を持ってきました。毎月の残業時間、残業代が払われているかを聞いたものです。残業五十時間までの表では五十時間以上の欄外にシールがどんどん張られたため、百時間まで張れるようにしました。そうすると、半分以上が五十時間以上、しかも半分以上が残業代が支払われていないのです。「サービス残業は犯罪行為。これをなくせば百六十万人の雇用を増やせる」と呼びかけると、目を輝かせて署名に応じてくれます。

 反戦・平和を願う運動で特徴的なのは、イラク戦争と自衛隊派兵をめぐる高校生の自主的な運動です。神奈川の女子高生は「NO WAR」の反戦ジャージを着て登校し、「脱げ」といわれても脱がずにがんばるなか、アメリカ人先生も感激し高校生集会に一緒に参加してくれたそうです。生徒会、クラブぐるみで高校生集会を成功させ、朝日新聞の社説でも「平和な未来への希望」と紹介されました。

 この一年間のたたかいを通じて、平和な未来をつくるのは私たち一人ひとりのたたかいだということを学びました。

 もう一つ確信にしているのは、日本共産党綱領に示された民主的改革の提案と、未来社会への展望が青年のたたかいと生き方を励ます力をもっていることです。

 民主的改革の中身とプロセスの解明を学ぶことが「自分たちの要求と社会を変えることが結びつき、頑張れば変えられることがわかった」と力になっています。未来社会論は、「労働時間を短縮して、みんなの能力を発展できる社会をつくれると知ってわくわくしてきた」「社会の矛盾は利潤追求を一番の目的にする社会から生まれている。人間が主人公の社会に転換することで解決できるとわかった」など、確信を広げています。

 綱領の学習を力に、参院選の勝利とともに、民青同盟が本当に大きくなって、新しい日本をつくり、担っていけるよう奮闘する決意です。


平和守る女性の決意は固い

新日本婦人の会会長 高田 公子さん

 いまを生きる女性の最も切実な要求である憲法を守り抜きたい、安心して子育てを楽しみたい、くらしを安定させたい、この願いを日本の政党では日本共産党以外に託せなくなっている現在、この党があってこそ、女性がこんなに明日への展望をもって日々頑張り、運動を続けられるとの思いを強めています。

 この間、日本共産党の大奮闘でサービス残業の不払い賃金を全国各地で次つぎと支払わせています。孤立した子育てを強いられていた若い女性から「夫の体が心配」「夫と一緒に子育てしたい」との切実な声があがっていました。前会長の井上美代参院議員が当局から引き出した「家族の訴えも本人の申告に準じてとり扱う」を力に、生まれてはじめて労基署を訪問し、サービス残業を改善させ、各地から喜びの声が寄せられています。

 「イラクへの自衛隊派兵許さない」「憲法改悪許さない」と、いのちはぐくむ女性たちの決意は固く、女性団体はこぞってその立場を表明し、一緒に行動に立ちあがっています。各地の署名活動には、自衛隊員とその家族も駆け寄ってきます。「派遣が決まってすぐのころは、洗濯しながら、お茶わんを洗いながら、泣いていたけれど、話を聞いてくれる人がいることで、がまんしていたこと、つらい気持ちが少しおさまりました」と手を握って離さない女性の姿に、派兵への怒りがこみあげてきます。

 家計に重くのしかかっている税金・社会保障費が私たちの暮らしに還元されていないだけに、大企業・財界の横暴な支配が、国民生活と権利を奪っていることへの女性の怒りは、語りあえば火を噴く状況で、この女性たちの怒りを束ね、年金改悪・消費税増税を許さないたたかいにも力を尽くしたいと思っています。

 この国の未来がいまほど私たちのたたかいを必要としているときはありません。日本と世界の未来への壮大な展望と気概をもつ日本共産党とともに、政治の革新をきりひらいていけることを誇りに思っています。広範な女性たちの期待に応えられるよう、新婦人を大きく飛躍させる決意をこめ、大会の成功と参院選での勝利をはじめ、日本共産党の躍進を心より期待し、あいさつとします。


「農業再生」を国民合意に

農民運動全国連合会会長 佐々木健三さん

 日本共産党が、農業を基幹的産業として位置付ける綱領をもち、今度の大会議案でも農業・食料の今日的解明と、日本農業を再生するための確固たる方針を掲げていることは、私たちの大きな励ましとなっており、心から感謝を申し上げます。

 今日の日本農業と食料は、まさに危機的です。小泉首相は、総選挙直前にタイで“農業鎖国は続けられない”、日本経団連の奥田会長も“家族的営農という何千年も前からのビジネスモデルを根本的に変革する必要がある”と発言しています。

 しかし、現状は鎖国どころか輸入しすぎであり、農業を苦しめてきたのは歴代自民党政治です。食料自給率40%で主要先進国十二カ国中最低。穀物自給率は一段と低下して百七十三カ国中百三十番です。

 小泉首相は、百七十万稲作農家を八万程度に減らして、農家を生産から締め出し、株式会社が農地を所有したり農業に参入できるようにし、農協に解体的改革を押し付ける農業版「構造改革」を急ピッチで進めています。

 懸命に頑張っている農家を応援せず、生産から締め出して、どうして日本農業が再生できるでしょうか。日本共産党が掲げるように“農産物の価格保障、所得保障によって農家の経営を応援する”、“今こそ国を挙げて食料自給率向上に総力をあげる”ことこそ求められています。増える農産物の輸入と反対に、九割の国民が安全で安心できる国内の農産物を求めています。農民連の分析センターは国民の安全を求めるために機敏なたたかいをしています。

 農民連は「ものを作ってこそ農民」を掲げ、「日本には農業が必要だ」という国民合意を広げるために奮闘しています。

 十五年前の結成大会では、「農民の労働を、虫けらのように踏みにじり、日本の農業を押しつぶす政治を私たちは決して許すことはできません」「新しい農民運動と新たな民主的高揚をつくりあげ革新統一戦線の一翼を担えるよう、強大な組織を建設するため全力をあげる」と宣言しました。私たちは、あらためてこの立場にたち、全力をあげ奮闘することを申し上げ、農業の明るい未来と日本共産党の発展を願い、あいさつとさせていただきます。


憲法守れ まさに正念場

憲法改悪阻止各界連絡会議事務局長 川村 俊夫さん

 憲法会議は、この三月で結成三十九周年を迎えます。いま私たちは戦後最大の憲法改悪の攻撃に対し、組織の存在意義をかけたたたかいを展開する決意で、準備をすすめています。

 そのなかで日本国憲法、とりわけ第九条に対する日本国民の思いは、特別のものがあるということを実感しています。

 私たちはいま、憲法九条の条文を印刷したポスターをつくり、普及のとりくみをしています。長野県の新聞労働者は、同級生や町会議員にポスターを配っています。ある無所属の町会議員は裏張りをし、雨よけをつけて自分の畑の目立つところに立ててくれたそうです。

 福井県の男性は、市役所に行って検印を受け、道路沿いに百枚を張り出したそうです。福岡からは、「自分は介助なしに外出できない体だが、自分の部屋と玄関ドアの外側に張って見てもらっている」という手紙をいただきました。一人ひとりが、憲法への思いと願いを込めて行動に立ち上がっているのではないかと思います。

 日本国憲法には、戦前の暗黒の社会においても、平和で民主的な日本の未来を信じ、命がけでたたかった日本共産党の先輩のみなさんをはじめとする、進歩的な方々の努力の結晶、そして日本国民三百十万人、アジア諸国民の二千万人の尊い犠牲が刻み込まれています。

 私たちは、平和を願い自由と民主主義を願う国民の「心」を結集すれば、必ず改憲勢力の野望を打ち砕くことができると確信しています。しかし、ぼうだいなマスコミ宣伝のなかで、「環境権のためなら」「プライバシー権のためなら」と改憲に傾く傾向があることも軽視してはいません。

 私たちはいま、あらゆる地域で壮大な憲法学習運動をすすめようと、自由法曹団や労働者教育協会、憲法学者の方々と千人規模の講師団をつくる準備をすすめています。

 憲法改悪を阻止するたたかいは、これからが正念場です。私は戦前からの平和と民主主義のたたかいの伝統を引き継いでおられるみなさんが、このたたかいにおいても、けん引車の役割を果たしてくださることを期待し、確信しています。大会が大きく成功することを熱く期待します。

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