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2022年7月29日(金)

チリ 医療完全無料へ

「健康は財布で左右されぬ権利」

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(写真)「窓口支払いゼロ」発表式典で出席した子どもとこぶしを合わせるボリッチ大統領(左)=27日、サンティアゴ(チリ大統領府提供)

 南米チリのボリッチ大統領は27日、低所得者や高齢者に限られていた医療費無料措置を公的医療制度加入者全体に広げると発表しました。実施は9月1日から。新たに538万人の窓口負担がなくなり、公的医療制度の完全無料化となります。

 チリ政府は、首都サンティアゴ市内の公立病院で「窓口支払いゼロ」措置を発表する式典を開催。ボリッチ氏は、医療の無料化は「何世代にもわたる国民が夢見てきたものだ。私たちはきょうその夢の実現に向けて前進した」と強調しました。

 同国の公的医療制度「国家健康基金(FONASA)」には、人口の約8割にあたる約1500万人が加入。保険料は月収の7%が基本です。これまでは60歳以上の高齢者や低所得者は窓口負担が免除されてきました。一方、免除対象外の比較的高所得の加入者は、所得に応じて医療費の1割あるいは2割を支払う仕組みでした。

 大統領府によると、今回の措置によって扶養家族も含めて新たに538万人の医療費が無料となり、これらの世帯では平均で年間26万5千ペソ(約4万円)の負担軽減になる見込みです。

 ボリッチ氏は、昨年の大統領選で医療予算増額などを主張し当選。式典の演説では、「健康は家庭の財布の大きさで左右されてはならない権利であるべきだ」、「権利は取り引きするものであってはならない。私たちは医療、年金、住宅、教育が国のすべての人々の手にいきわたるよう最善を尽くす」と表明しました。


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