しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年9月29日(水)

きょうの潮流

 米国の対テロ戦争に翻弄(ほんろう)されたアフガニスタンにも、家族の笑い声が響く幸せがあったはずです。帰宅した一家の主が中庭に車を止めると子どもたちが駆け寄って出迎えました。そこへ撃ち込まれた米軍のミサイル。無人機による誤爆から、ちょうど1カ月です▼米軍撤退で混乱するカブール空港付近でのテロ。その報復攻撃で、「テロリスト」と目されたのは米国の援助団体で働くアフマディさん(43)。子ども7人も巻き込まれました▼犠牲になった家族の様子を欧米メディアが報じ、ようやく誤爆だったと米軍は謝罪。現地にメディアがいなければ、誤りさえ認めなかったかもしれません。明らかになった無人機攻撃の民間人犠牲は氷山の一角です▼世界を震撼(しんかん)させた9・11同時多発テロから20年と米軍撤退。米メディアは「彼女の言葉を聞いていたなら」とバーバラ・リー下院議員を取り上げています。アフガン戦争へ、武力行使の権限を大統領に与える議会決議に唯一反対したのが同議員でした▼同時テロから3日後、大統領の下で一致団結せよと迫る決議に対し、「われわれが悪になってはならない」と演説。アフガンに「軍事的解決策はない」という確信は揺るぎませんでした▼「永遠の戦争を終わらせる」と軍を撤退させたバイデン米大統領ですが、無人機攻撃の停止は口にしていません。リー議員が反対した議会決議は今も有効。この破棄を求める同氏のたたかいは続きます。無人攻撃機による「永遠の戦争」にさせてはなりません。


pageup