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2021年9月16日(木)

島根原発2号機「適合」

10キロ圏に県庁など中枢機関

避難計画対象地域46万人居住

 原子力規制委員会は15日、中国電力島根原発2号機(松江市)の再稼働に必要な新規制基準に「適合」しているとする審査書を正式に決定しました。規制委が、審査書を決定した原発は17基目。重大事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型では5基目ですが、いずれも再稼働していません。

規制委決定

 島根原発は全国で唯一県庁所在地に立地し、原発から10キロ圏内には県庁をはじめ県警察本部など中枢機関があります。避難計画が義務付けられている半径30キロ圏内に、鳥取県の境港市、米子市なども含め2県6市に約46万人が暮らします。事故時の避難計画の実効性など課題は山積しています。

 中国電は、2013年12月に同原発の申請を提出しましたが、震源断層の長さの評価などをめぐり、審査が長期化しました。中国電が1998年になって存在を認めた同原発の南2キロにある宍道(しんじ)断層の長さの評価は、規制委に申請後も訂正を繰り返し、22キロから39キロに延びました。

 想定される最大の地震の揺れは、600ガル(ガルは加速度の単位)から、820ガルに引き上げられました。また、考慮される津波は最高で11・9メートル。敷地で想定される火山灰の厚さを最大56センチとしています。

 中国電は、500カ所以上の点検漏れが10年に発覚。さらに再発防止を誓った後も、データのねつ造などの不祥事が繰り返されています。6月にも規制委から貸与された機密文書を誤廃棄しながら、約6年間報告していなかったことが判明しています。

 中国電は、今年度中に新規制基準対応の工事を終える予定ですが、再稼働には地元合意が必要。時期は未定としています。


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