しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年9月16日(木)

きょうの潮流

 お手元にある国語辞典に、「公助」の項目はありますか? 赤旗編集局の校閲部にある十数冊の辞典から探してみると―『明鏡国語辞典』(第三版、2021年1月1日発行)にありました。「公的機関が援助すること」▼最新の単語として、「エモい」「サブスク」などとともに。「新しい時代に生きてゆくため」に、と同辞典は説明します。10年12月1日発行の第二版には、いずれの単語も載っていません。なるほど、「公助」は新しい時代の言葉だということか▼「公助」を耳にするようになったのは、安倍・菅政治の中で。社会保障政策に絡めて「国の基本は自助・共助・公助」と。障害者にサービス利用料の1割を自己負担とする自助を強要したのは、障害者自立支援法でした▼全国の障害者が同法は違憲だと訴えた裁判は、民主党政権に代わった後、和解に。訴訟団と国が結んだ基本合意は「障害者の人間としての尊厳を深く傷つけた」ことに「心からの反省の意」を表明、新法制定を約束しました▼民主党政権は当時、障害のある当事者も参画させながら、新法に向けた提言を作成しました。政権の姿勢次第で政策も変化することを実感した数年でした▼ちなみに、『広辞苑』(第七版、18年6月30日発行)には、「公助」の文字はありません。わたしたちが求めるものは「公助」ではなく、国の責任で実施する社会保障政策です。まずは総選挙で自公政権を倒し政権交代を実現して、新しい国語辞典から「公助」の項目をなくしましょう。


pageup