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2021年9月11日(土)

きょうの潮流

 戦前の古ぼけた写真に目が留まりました。1916年、大分高女の校庭風景です。遠くには、はかま姿の女学生がボールを奪い合うかたまりが、手前には長い2本の棒を立ててひもを張っただけのゴールも確認できます▼日本で女性がサッカーを楽しむ最も古い写真です。今年、日本サッカー協会の受託研究で公表されました。この時期、あちこちの女子の中等教育機関で行われていたそうです▼黎明(れいめい)期から1世紀余り。12日、女子のプロリーグが産声をあげます。その名はWE(ウィー)リーグです。理念には、サッカーを通じ「夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現」とあります▼これまでサッカーで生計を立てられる選手はごくわずか。多くは働きながらでした。プロといっても男子のJリーグとの待遇差は依然大きく、集客力の課題もあります。それでもプレーに専念できる環境ができ、夢の職業として世界のトップを目指す確かな一歩です▼加えてリーグは「ジェンダー平等、多様性社会の実現」のため、社会に働きかけることを両輪の一つとしています。6日、公開されたスポンサーを招いた「ミーティング」でもミニ講座を行いました。これを柱にすえ活動する日本のリーグは初めて。その意義は大きい▼日本のジェンダーギャップ指数は120位。一方、世界では「ジェンダー平等を求める巨大な社会的変化」が進みます。WEリーグは、日本のスポーツと社会の変化を促す一翼を担い、明日船出します。


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