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2021年9月10日(金)

主張

格差と貧困の打開

経済のゆがみを今こそ正そう

 菅義偉首相の政権投げ出しは、コロナ対応での無為無策の結果であるとともに、国民に自己責任を押し付ける経済政策の破綻のあらわれです。菅首相が主張した「自助」の政治は新自由主義そのものです。コロナ危機のもとで格差と貧困が深刻化しています。経済のゆがみを正さなければなりません。

働くルールと税の公平を

 各地で起きている医療崩壊の根本には、保健所の削減など長年の医療切り捨て政治があります。先の通常国会で菅政権は、75歳以上の高齢者の医療費を2倍にする法律と、病院のベッドを削減する法律を強行しました。コロナ危機のさなかに医療をさらに弱体化させるなど論外です。医療・介護・障害福祉・保育などケアに手厚い社会を築くことが急務です。

 格差拡大は深刻です。2020年度の法人企業統計によると、資本金10億円以上の大企業の内部留保は466・8兆円で、過去最高です。19年度比で株主への配当は11%の大幅増、役員報酬も0・5%増と大企業、富裕層はもうけを膨らませました。労働者の賃金は1・2%減りました。

 コロナ危機は非正規労働者、特に女性と若者に大きな犠牲を負わせています。この1年余、非正規雇用労働者はコロナ以前に比べて月平均92万人減少しました。うち61万人が女性です。

 1990年代以降、歴代政権が労働法制を改悪した結果、使い捨てにされる労働者が増えました。多くの非正規労働者、特にシフト制労働者が休業支援を受けられず困窮に陥っています。緊急の対策が必要です。

 財界は、テレワークが増えたことに乗じて労働時間管理のルールを緩めるよう要求しています。コロナ禍を利用して長時間労働を常態化させることは許されません。

 人間らしく働けるルールをつくらなければなりません。中小企業への支援と一体に最低賃金を時給1500円に引き上げ、8時間働けば普通に暮らせる社会を築くことが求められます。

 税の不公正を正すことも急を要する課題です。20年度の税収実績は60・8兆円と過去最高でした。コロナ危機で経済が落ち込むもとで税収が増えた最大の要因は、安倍晋三前政権が強行した10%への消費税増税です。

 消費税の増収は2・6兆円です。減収した税目もある中で税収全体の増加額2・4兆円を上回り、初めて税収のトップになりました。消費税はどんなに生活に困っても払わされる過酷な税金です。富裕層と大企業に応分の負担をさせ消費税は5%に減税すべきです。

野党共通政策を力に

 9年間の安倍・菅政治と決別しないと日本経済再生の道は開けません。

 8日に野党4党と市民連合が合意、署名した共通政策は格差と貧困の是正を柱の一つとしています。▽最賃の引き上げや非正規労働者の待遇改善で「働く貧困層」をなくす▽誰もが人間らしい生活を送れるよう公的支援を拡充する▽消費税を減税し公平な税制を実現することなどを掲げています。市民と野党共通の政策的旗印です。

 目前の総選挙で自民党・公明党政権を倒し、命を何よりも大切にする政治を実現しましょう。


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