しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年9月4日(土)

菅首相、政権投げ出し

総裁選出ず退陣へ

 菅義偉首相(自民党総裁)は3日、自民党の臨時役員会で、任期満了に伴う総裁選(17日告示、29日投開票)に立候補しないと表明しました。無為無策の新型コロナウイルス感染症対応や東京五輪の強行などによって、内閣支持率が過去最低水準に落ち込むなか、国民の世論と運動に追い詰められての退陣表明となりました。安倍晋三前首相の辞任を受け、昨年9月16日に「安倍政治の継承」を掲げて就任した菅首相は約1年で政権を投げ出す結果となりました。


 首相は役員会で、「新型コロナの対応に専念したい」と述べ総裁選不出馬を表明。6日に予定していた内閣改造・党役員人事は撤回する方針を示しました。

 役員会後、首相は官邸で記者団に「私自身、出馬を予定する中で、コロナ対策と選挙活動を考えたときに莫大(ばくだい)なエネルギーが必要で、両立はできない。感染拡大防止に専念をしたいと判断した」と述べました。質問しようとした記者団の問いかけには答えず、逃げるようにその場を後にしました。

 菅首相は、前日まで総裁選出馬の意向を示していましたが、一転して不出馬表明となりました。

 4月の3国政補選・再選挙や、東京都議選(7月)、首相の地元の横浜市長選(8月)での敗北などを受け、党内で「菅首相ではたたかえない」との声が広がっていました。「菅離れ」の事態を打開するため、菅首相は「後ろ盾」となってきた二階俊博幹事長の交代など党役員人事の刷新を画策しました。しかし総裁選を前にした異例の人事に党内は反発。総裁選先送りのために月内解散も模索しましたが、これも党内の強い反対で断念せざるをえなくなりました。再選は困難な状況に追い込まれていました。

 自民党は野党が要求する臨時国会開会を拒否したまま、予定通り総裁選を実施するとしています。総裁選には岸田文雄前政調会長が出馬を表明。高市早苗前総務相、河野太郎規制改革担当相、野田聖子幹事長代行も出馬への意欲を示しています。石破茂元幹事長や、一度は断念した下村博文政調会長も「同志と相談したい」などと語り、出馬に含みを持たせています。


pageup