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2021年8月28日(土)

党創立99周年記念講演会 記者座談会

志位委員長の「パンデミックと日本共産党の真価」を読む(下)

新しい社会へ模索始まった

選挙で示された国民多数の意思にもとづき、国民共同の力で社会変革を進める党

  第四の角度は「選挙で示された国民多数の意思にもとづき、国民共同の力で社会変革を進める党」。ここでは、共産党綱領の社会発展論の基本がズバリ示されている。段階的発展、多数者革命、統一戦線の三つは「一体のもの」で、現在から未来に至る一貫した立場だと。

  徹頭徹尾、民主主義を貫く党、どこまでも国民が主人公という「哲学」なんだね。

  「革命」という言葉を使うから「恐ろしい政党」だなどという攻撃は全く通用しないね。「産業革命」「技術革命」など、普通に使われているじゃないか。

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(写真)東京都議選の2人区で当選を喜ぶ福手ゆう子さん(前列中央)ら=7月4日、東京都文京区

「大きな影響力」自民党が警戒心

  現在の市民と野党の共闘の歴史的、画期的な意義について、三つの角度から触れられたが、共産党を含む政権の是非が現実の政治で問われる状況になっているというところは、わくわくしながら聞いたよ。かつて暫定政権や選挙管理内閣の提唱は記憶があるけど、現実に追求する課題にまではならなかった。

  自民党の国会議員が自身のインターネット番組で、秋の総選挙では「政権交代になりうる」としたうえで、その政権では、「(共産党が)閣僚にならなくても、閣外協力といわなくても、実態としては共産党が大きな影響力をもつことになる」と警戒心をあらわにしていた。

  それは、日本の支配勢力も警戒警報を出さざるを得ないような歴史的な出来事なんだろう。党創立以来99年の歴史のなかでも初めてのことだから。

  4月の衆参補選・やり直し選挙でも、7月の東京都議選でも、22日の横浜市長選でも、市民と野党の共闘は大きな成果を出している。発展する共闘で大きな役割を発揮しているのが共産党だよ。だから、共闘を分断、破壊するために支配勢力が躍起になっているのが、日本共産党に攻撃を集中することだ。

  「暴力革命の党」という悪罵を投げつけるものだけど、その内容は、すでに反論済みのデマの繰り返しだ。

  攻撃に対して志位さんは、これまでの論争もふりかえりながら、詳細に反論し、どんな場合でも平和的・合法的に社会変革を進める日本共産党の確固たる立場を明らかにした。「暴力革命の党」なんて成り立ちようがないと。

共闘の分断攻撃打ち破りたいね

  社会変革の道筋にかかわっては、共産党は過去の一時期、「敵の出方」論という説明をしてきたことがあった。最近は見かけなくなったが、僕もかつて綱領でそういう学習をしたことがある。

  その点は、志位さんが明快に述べていたね。「『敵の出方』という表現だけをとらえて、日本共産党が、あたかも平和的方針と非平和的方針という二つの方針をもっていて、相手の出方によっては非平和的方針をとるかのような、ねじ曲げた悪宣伝に使われるということで、この表現は、2004年の綱領改定後は使わないことにしています」と。

  ことはいっそう明白じゃないか。共闘分断を図る卑劣なデマ攻撃を市民と野党の結束した力で打ち破って、共闘勝利でこれにこたえたいものだね。

資本主義をのりこえる未来社会をめざす党

  第五の角度は、「資本主義をのりこえる未来社会をめざす党」というタイトルだ。志位さんが冒頭に紹介した米国の高校生から寄せられたメールは社会主義と日本共産党への共感が語られたもので、思わずウルウルッときたね。

  このメールに、「新しい時代、まっとうな時代の幕開けを予感させる」という感想もあったね。

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(写真)新版『資本論』全12冊

党の歴史的役割 ズバリ明らかに

  なんといっても、この章のハイライトは、『資本論』の根本的立場がどこにあるのかを解明し、社会変革の主体的条件を発展させる日本共産党の歴史的役割についてズバリ明らかにしたことにある。

  『資本論』といえば、党中央の社会科学研究所が監修して刊行してきた新版『資本論』が全12冊で完結したというタイミングだ。2004年の綱領改定を受け翌年から準備を始めて、実に16年にも及ぶ大事業となった。志位さんは、世界にも例がないその業績をたたえたが、誇らしい限りだね。

  志位さんは“資本主義の肯定的理解のなかに必然的没落の理解を含む”という、『資本論』第2版へのマルクスの「あと書き」の中のテーゼを引用して、『資本論』の革命的真髄を明らかにした。

  ちょっと難しかったけど、マルクスが、『資本論』で解明したのは、資本主義が人類史の中でどのような役割をはたし、社会にどのような進歩をもたらしたか(進歩的理解)、資本主義社会がその発展のなかでどのような矛盾や危機を生み、社会変革の条件をどうつくりだし、どのような新しい社会に交代するのか(必然的没落の理解)ということだね。

  資本主義の生成・発展の必然性や成果を認めると同時に、資本主義が矛盾を激化させ、やがて没落する法則を明らかにしたのがそのテーゼの真髄だ。

コロナが生んだ資本主義の問い

  そのうえで志位さんは、資本主義が没落するといっても、それをのりこえる社会変革は自然には起こらないというのがマルクスの考えで、矛盾がどんなに激化しても、主体的条件の成熟がなければならないと強調した。その主体的条件を発展させることにこそ日本共産党の歴史的役割があると解明した。

  うーん。すごいスケールの話だけど、コロナパンデミックは、資本主義をこのまま続けていいのかという問いかけをもたらし、日本でも世界でも、人々は新しい社会への模索を強めている。その時代にふさわしい、共産党の奮闘が求められているということだね。

 (おわり)


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