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2021年8月26日(木)

鶏卵汚職 贈賄側の公判

懲役1年8月求刑 「農林水産行政の信頼 失墜」

東京地裁結審

 元自民党衆院議員で元農林水産相の吉川貴盛被告(70)=収賄罪で起訴=が大臣室などで計500万円を受け取った汚職事件で、贈賄罪に問われた鶏卵大手「アキタフーズ」(広島県福山市)前代表の秋田善祺(よしき)被告(87)の公判が25日、東京地裁(向井香津子裁判長)でありました。検察側は「農林水産行政への国民の信頼を失墜させた」として懲役1年8月を求刑し、結審しました。(丹田智之)


 日本養鶏協会の業務を統括する立場だった秋田被告は、養鶏業界に有利な政策判断をしてもらうなどの目的で農水相在任中の吉川被告に3回、計500万円を提供したとして起訴されました。

 アニマルウェルフェア(動物福祉)の理念に基づく国際的な飼育基準案に危機感を示していた秋田被告は2018年11月12日、農水省として同基準案に反対の立場を表明するよう要望。その直後の同月21日、東京都内のホテルで吉川被告に現金200万円が入った封筒を手渡しました。

 検察側は、多額の賄賂が提供されたことを受け、国会議員と農水省担当者、養鶏業者による3者会議が開かれるなど「便宜供与が行われた」と悪質性を指摘しました。

 弁護側は、現金の提供を認めた上で「養鶏業界のためだった」として執行猶予つきの判決を求めました。

 秋田被告は、吉川被告と河井克行元法相=自民党離党=の政治資金パーティー券を社員が買ったように偽装したとして政治資金規正法違反罪にも問われています。

 向井裁判長は、判決期日を10月6日としました。


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