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2021年8月24日(火)

主張

横浜市長選の勝利

菅政権への痛烈なノーの審判

 横浜市長選で、カジノ誘致ストップ・コロナ対策拡充への転換を掲げた市民と野党の共同候補・山中竹春氏が当選しました。菅義偉首相が支援した前国家公安委員長の小此木八郎氏に18万票の差をつけての圧勝です。横浜市には菅氏の選挙区の衆院神奈川2区があります。首相の“おひざ元”の市長選で与党系候補者が大敗したことは、菅自公政権に対する有権者の痛烈な批判に他なりません。無為無策を重ね、コロナの感染爆発を招いた政権への国民の不信と怒りは募るばかりです。国民の信頼を失った菅政権に代わる新しい政権をつくることが急がれます。

カジノ反対の民意は明白

 山中氏は、カジノを中核とするIR(統合型リゾート)の横浜市への誘致に反対する幅広い市民や団体に推されて選挙をたたかいました。カジノ推進を訴えて4選をめざした林文子氏は小此木氏を下回る3位に沈みました。カジノの是非を問う住民投票を求める約20万人の署名を無視し、カジノを強引に推し進めた林市政を市民は許しませんでした。

 カジノは安倍晋三前政権から引き継いだ菅政権の目玉政策です。小此木氏は選挙直前、「IR取りやめ」をにわかに主張しはじめましたが、一方で菅首相の応援を受けた姿勢は市民の不信を強めただけでした。国内でのカジノ誘致の「最有力候補」とされた横浜市でノーの意思が明確に示されたことを菅政権は真摯(しんし)に受け止めなければなりません。カジノ推進政策そのものを直ちに中止すべきです。

 東京五輪閉会日(8日)に告示された市長選の期間中、神奈川県内のコロナ感染者は激増しました。新規感染者は過去最多の更新が続き、症状が重くても入院できない人が市内でも相次ぎました。ところが、菅政権の感染対策は迷走の連続です。感染の急拡大を引き起こした五輪開催に全く反省しないばかりか、「自宅療養を基本」とする方針まで打ち出し世論の怒りを買いました。政府自ら責任を果たさず国民に強い制約を求める緊急事態宣言の延長や拡大を繰り返す菅政権に市民の我慢は限界に達しています。

 山中氏は、「自助努力」のコロナ対策から転換する立場を鮮明にし、ワクチン接種の促進、検査体制や医療体制などを拡充する市政の実現を訴えました。

 「朝日」の出口調査では、新市長に一番力を入れてほしい政策は「コロナ対策」が最多で、うち46%が山中氏に投票し、小此木氏に入れたのは19%でした。コロナ対策の根本的な転換を求める市民の切実な願いが山中氏の勝利の強力な原動力になったのは明白です。

共闘の力を発揮する時

 菅首相はタウン紙で側近政治家である小此木氏を「全面的かつ全力で応援」すると明言し、企業への締め付けなどテコ入れをしました。しかし、菅氏自身の選挙区でも小此木氏の得票は山中氏に及ばなかったのをはじめ衆院小選挙区単位でも軒並み敗れ、与党内に衝撃が走っています。市民と野党の共闘が力を発揮しています。

 7月の東京都議選でも自民党は敗北しました。4月に行われた三つの国政の補選・再選挙でも共闘の候補が勝利しました。市民と野党が本気で結束すれば、政治は大きく動きます。来たる総選挙で政権交代を必ず実現しましょう。


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