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2021年8月18日(水)

臨時国会召集要求野党合同院内集会

志位委員長の発言

 日本共産党の志位和夫委員長が17日の「臨時国会召集要求野党合同院内集会」で行った発言は次の通りです。


写真

(写真)野党合同院内集会で発言する志位和夫委員長=17日、衆院第一別館

 日本共産党を代表して、あいさつを申しあげます。

 私たち野党が憲法に基づいて、臨時国会召集を要求して1カ月たちました。1カ月もの間、この要求に耳を貸そうとしなかった菅政権に、私は、みなさんとともに強い抗議を申し上げ、一日も早い召集を求めたいと思います。(拍手)

日本の新規感染者数は世界9位――菅政権による「人災」

 なぜ今、臨時国会か。一言で言えば、菅政権が、コロナから国民の命と暮らしを守る仕事をやっていないからです。

 私は、今日、ワールドメーター(国際統計)を見ておりまして、日本の昨日の新規感染者数が、世界で何位か見ておりましたところ、絶対数で9位です。もう「ワーストテン」の中に入ってしまっている。これまで政府は、「日本モデルは成功した」「欧州に比べれば被害が少ない」と言ってきましたが、そんなことを言っていられる状況ではない。ここには今起こっている事態が「自然災害」では決してない(「そうだ」の声)。菅政権による「人災」だということが示されているのではないかと思います。

 私は今、臨時国会を開いて、菅政権のコロナ対応の三つの「致命的な欠陥」をただしていく必要があると思います。この1年半、安倍・菅政権はコロナ対応をやってきましたが、三つの点で失格だと思っています。これをたださないと日本の国民の命を守ることはできない。

科学の無視――間違いは間違いと認めてこそ

 第一は、科学を無視することです。

 「PCR検査を広げると医療崩壊が起こる」―厚労省はこういう内部文書をばらまいて検査を抑えつけてきた。しかしその結果が医療崩壊ではありませんか。

 「Go To キャンペーンをやっても感染は大丈夫なんだ」と言ってそれを進めた結果、ウイルスを全国に広げてしまったではないですか。

 そしてオリンピックです。オリンピック開催によって間違ったメッセージを国民に流し続けたことによって、感染爆発をつくってしまった。これは専門家のみなさんも指摘しているし、国民のみなさんも実感されていることではないでしょうか(「そうだ」の声)。こういう科学を無視した過ちを繰り返しながら、ただの一度も反省していない。それでは失敗は必然ではないでしょうか。

 間違いは間違いと認めさせることが必要です。オリンピックについても、きちんと「間違いでした」と認めて、パラリンピックは中止する(「そうだ」の声)。そういう決断をしっかりやってこそ、国民のみなさんにメッセージが伝わるのではないでしょうか。これを私たちは強く求めていきたいと考えますがいかがでしょうか。(拍手)

国民とのコミュニケーションの意思と能力

 第二は、首相が国民への説明責任を果たさないことです。致命的だと思います。

 これまで菅政権になり、今年1月から、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置で政府が国会に説明をしなければならない場面が数えてみましたら、今日を含めて21回です。

 私たち野党は、「総理が出てきて肉声で説明せよ」と言い続けてきましたが、総理が出席したのはたった2回です。19回は担当者任せです。これではみなさん、メッセージが伝わらないじゃないですか。本気度が伝わらないじゃありませんか。「危機感を共有してくれ」と言ったって、自分が危機感を持ってないのだからこれ、共有できるはずがないじゃないですか。

 危機にあってリーダーに一番必要なのは国民とのコミュニケーションの意思と能力です。能力のあるなしは別にして(笑い)、コミュニケーションをやる意思がなければだめです。(「そうだ」の声)

 意思さえないのでは、これは、代わってもらうしかない。やはりここは、たださなければならない大問題ではないでしょうか。(拍手)

「原則自宅療養」を撤回し、命を守る責任を

 第三に、私は、安倍・菅政権のコロナ対応の一番罪深いところは、コロナ対応にまで「自己責任」論を持ちこんだことにあると思います。

 中小業者のみなさんの命綱であった持続化給付金、家賃支援給付金を、1回こっきりで打ち切った。緊急事態宣言は4回やっているのに1回しか出さない。こんな冷酷非道なやり方はないです。

 われわれ野党が求めているように、2回目の給付をやらせようではありませんか。(拍手)

 医療機関に対する減収補てんもいまだに拒否している。そして最悪なのは、「原則自宅療養」という方針を突然打ち出し、いまだに正式に撤回しないわけです。これはひどい。撤回させなければいけません。正式に撤回させて、入院病床を増やす、医療機能を強化した宿泊療養施設や臨時の医療施設を増やす、早い段階から治療が開始でき、重症化を防ぐための責任をしっかり果たせ、こういうことを求めたいと思います。(拍手)

野党が力を合わせ、命と暮らしを守り抜こう

 どれもこれも国会で今の政権の姿勢を大本から変えなければならない。変えることができるのはやっぱり国会なのです。

 われわれ国会議員、野党として、今の問題点をすべてきちんと明らかにする。それをつうじて打開の方策もおのずと明らかになってくると思います。

 戦後最大の大災害に直面しているわけでありますが、野党がしっかりと力を合わせて、この難しい局面を突破して国民の命と暮らしを守りぬき、総選挙では力を合わせて勝とうではありませんか。(拍手)


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