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2021年8月7日(土)

「台湾有事」憲法9条生かした外交戦略こそ

小池書記局長、BSフジ番組に出演

 日本共産党の小池晃書記局長は6日夜のBSフジ番組「プライムニュース」で、「台湾有事」にかんする日本の安全保障政策や、新型コロナ患者の入院を制限する政府方針をめぐる混乱などについて各党議員らと議論しました。

■米中情勢

 台湾海峡をめぐる情勢について、小池氏は、「中国が台湾周辺で軍事的な挑発を強めていることは許されない」と批判。仮に米中の軍事衝突になれば世界経済は破滅的な打撃を受けると述べ、「そういう事態を起こさせない外交戦略を持つことが日本の責任。(自衛隊が参戦するための)法整備や軍拡でこの問題に臨むことには反対だ」と語りました。

 台湾有事への参戦について、小池氏は「日本の憲法上、当然認められない」と強調。「台湾問題は平和的解決が日中国交回復以来の外交の大原則だ。軍事的関与をすれば破滅的事態になる」「ASEAN(東南アジア諸国連合)が実践しているように、中国も包み込んで地域の平和を実現する大きな外交戦略を持ち、絶対に軍事的衝突を起こさせないための役割を果たすことが問われる」と述べました。外交努力を貫くことが「憲法9条を持っている日本の使命。本当の意味で国民の命と国土を守るための政治の覚悟が問われる」と訴えました。

 国際法を平然と踏みにじる中国に対しては、「軍事力があって初めて対話が成立する」という視聴者の意見が紹介され、小池氏は、「国際法を無視する中国の行動は断じて許されないが、軍拡競争をあおれば中国の思うつぼになる」と強調。大変な努力がいるが、「国連憲章と国際法を守れと国際的に包囲し、圧力をかけていくことが大事だ」と訴えました。

■尖閣問題

 沖縄・尖閣諸島をめぐる対応について、小池氏は「尖閣における中国の行動は許されない主権侵害、覇権主義」だと批判。同時に自衛隊が出ていけば、中国に軍隊を出動させる口実を与えることになると指摘しました。

 自民党の石破茂元防衛相は、国家主権の侵害は「警察権で対応していい問題でない」と発言し、海上保安庁だけではなく自衛隊の出動を主張。小池氏は、「警察権だけで守ることができないのはその通りだが、日本は憲法9条がある。警察権でクリンチ(攻撃を止める)し、その間に外交で解決する。これが日本の憲法だ」と述べました。

 石破氏が「9条論は真摯(しんし)に議論したい。ただ北方領土など一度とられたものは返ってこない」と述べたのに対し、小池氏は、「領土を取り戻すのは軍事力でなく外交力」だと強調。「日本が国際社会に対し、中国による尖閣の領海侵犯の不当性などをどれだけアピールしているか」として、「外交力を発揮し、国際世論で中国の行動を包囲する努力を9条のもとでやるべきだ」と述べました。

■入院制限

 コロナ患者の入院制限方針をめぐり、政府が説明を二転三転させている問題も議論に。小池氏は、政府の方針は、原則入院だったものを原則自宅療養にする大転換だと批判。微修正をしても基本原則は変わっていないとして、「原則を変えた方針をまず撤回するべきだ」と述べました。

 小池氏は、政府は医療崩壊が起きかけている現実を認めた上で、「国民の命と健康を守れないなら五輪はやらない」とした菅義偉首相の言明通り、東京五輪を中止すべきだと主張。宿泊療養施設の拡充などで日本中の医療関係者に協力をよびかける必要性を強調しました。


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