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2021年8月6日(金)

国と初の集団和解成立

北海道建設アスベスト訴訟

札幌高裁

写真

(写真)和解の報告をする原告と弁護団=5日、札幌市

 建設現場で働いてアスベスト(石綿)を吸い込み、中皮腫や肺がん等の深刻な健康被害を受けた元労働者や遺族が国と建材メーカーを訴えた「北海道建設アスベスト訴訟」で5日、札幌高裁で全国初となる国との集団和解が成立しました。

 原告は2011年4月に札幌地裁に提訴。17年に国の責任を認める原告勝訴判決を勝ち取ったものの、建材メーカーの責任は認められず原告が控訴。控訴審は、今年5月の4訴訟の最高裁判決を受け、和解に至りました。

 札幌市内で開かれた報告集会では、原告と弁護団、支援者らが和解を喜び合いました。

 釧路市の原告、佐々木千恵美さん(68)は「和解には納得しているが、10年は長かった。亡くなった方もいて、原告のみなさんと喜べなかったことは残念」と胸の内を語りました。小樽市の原告、清水道代さん(78)は「亡くなった夫は戻ってこない。国はもっと早く正面から向き合ってほしかった」と話しました。

 藤本明弁護団長は「全面解決に向け大きな一歩です。全国原告団と厚労相との基本合意書後初の和解となった。メーカーとはまだ争うことになるが、原告、弁護団で力を合わせたたかっていく」と訴えました。

 長野順一事務局長は、国は責任を認め、原告への謝罪、石綿被害を発生させない対策、疾患への治療、医療体制確保、被害者への補償などで継続的に協議することを確認したと報告しました。


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