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2021年8月6日(金)

核抑止力論から抜け出す政治決断を

広島 NGO討論会 志位委員長が強調

 核兵器禁止条約の発効から初めて迎える広島の原爆の日を前にした5日、「核兵器禁止条約締約国会議とNPT(核不拡散条約)再検討会議に向けて」をテーマに、被爆者や国連、締約国の大使、与野党代表らが参加する討論会が広島市で開かれました。日本共産党の志位和夫委員長が発言しました。主催は核兵器廃絶日本NGO連絡会。(志位氏の発言)


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(写真)討論会「核兵器禁止条約締約国会議とNPT再検討会議に向けて」で発言する志位和夫委員長(左から2人目)=5日、広島市中区

 来年1月に開かれる核禁条約第1回締約国会議をめぐり、国連の中満泉軍縮担当上級代表は、生物兵器や対人地雷禁止条約などでも非締約国がオブザーバー参加し、議論することで条約の実効性を高めたと強調。日本政府も参加を検討するよう求めました。締約国会議の議長を務めるオーストリアのアレクサンダー・クメント大使は、核兵器を合理化する「抑止力」論について「証明できない論理だ」と批判しました。

 被爆者を代表して、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の児玉三智子事務局次長は「唯一の戦争被爆国である日本政府は条約に背を向け続けている。条約を批准し、世界をリードすることが求められる」と強調。出席した各党代表に「被爆国の議員として、人として、国会で議論し日本が条約を批准し、締約国会議に参加するよう尽力してほしい」と求めました。

 討論会では与野党の議員がそれぞれ発言しました。日本共産党の志位和夫委員長は冒頭、核兵器禁止条約の発効を「心から歓迎し、日本政府がすみやかに条約に署名・批准することを強く求めます」と表明しました。

 志位氏は、核抑止力論に立ち同条約に反対する日本政府の姿勢に対し、「核抑止とは、核兵器使用を前提とする議論であり、いざという時には広島・長崎のような非人道的惨禍を引き起こすことをためらわない議論だ」と指摘。「核兵器の非人道性を批判するならば、核抑止という議論から抜け出す必要があります」と訴えました。

 安全保障のために核抑止が必要だとする議論に対し、「核抑止は誰の安全も保障しない。真剣に人類の安全保障を考えるならば、核兵器を禁止し廃絶するしかありません」と強調しました。

 志位氏は、日本政府が核兵器禁止条約に参加しない理由を「法的理由」でなく政治判断だとのべていることについて、「日米安保条約は核兵器禁止条約に参加することを法的に禁止していない」と指摘。「核兵器の使用や威嚇を『援助、奨励、勧誘』しないなどの核兵器禁止条約の義務を履行しさえすれば、安保条約のもとでも禁止条約に参加することは可能です」と強調し、「そうした政治決断を政府に求めたい。同時に、野党が力をあわせて、そういう政治決断ができる新しい政権をつくりたい」と表明しました。


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