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2021年8月3日(火)

「黒い雨」訴訟 原告に被爆者手帳

広島市で開始“交付急いで”

「病気だらけの人生だった」

 広島への原爆投下直後、放射性物質を含む「黒い雨」を浴び、被爆者健康手帳の交付を求めていた「黒い雨」訴訟の原告に2日、広島市は手帳の交付を始めました。原告84人全員を一審に続き再び被爆者と認定し、被爆者健康手帳の交付を命じた広島高裁判決が7月29日確定したのを受けたもの。


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(写真)手渡された手帳に見入る高野氏(左端)ら=2日、広島市

 この日、市の担当者から手帳や健康管理手当などの説明を受けた原告団の高野正明団長(83)ら7人。市内の原告53人に手帳を順次交付する予定です。

 「ただいま被爆者健康手帳をいただきました。誠にありがとうございます。長年の希望でございました」と歓迎する高野氏。同時に、一緒に裁判をたたかいながらも、何の支援もなく亡くなった原告19人に対して「心から哀悼の意を表したい」と表明。高野氏は核兵器廃絶を強く願うとともに救済の対象者1万3千人にも「速やかに手帳を交付していただきたい」と強く要望しました。

 「病気だらけの苦しい人生だった」と振り返る日下武子さん(78)は、子どもの頃は貧血に悩まされ、40代で胃潰瘍を患い、白内障と翼状片の手術を受け、現在も関節が痛み通院中です。「高齢になると医療費がかかるから、手帳は本当にありがたいです。なんだか病気が吹っ飛びそう」と笑顔を見せます。

 小学生の時の同級生4人と原告になった庄野喜信さん(77)は、他にも同級生がたくさん「黒い雨」を浴びていると証言。「同じように黒い雨を浴びとる。どうか同級生にも手帳を交付してほしい」と訴えました。


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