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2021年7月14日(水)

台湾「重要」 初の明記

防衛白書 土地規制法を正当化

 岸信夫防衛相は13日の閣議で、2021年版防衛白書を報告しました。「台湾をめぐる米中間の対立は一層顕在化していく」とし、「台湾情勢の安定は、わが国の安全保障や国際社会の安定にとって重要」と述べ、台湾情勢に関する見解を初めて示しました。「わが国としても一層緊張感を持って注視していく」と、関与する政府の姿勢を強調しました。

 白書は米中関係に特化した項目を新設しました。政治、経済、軍事の競争が一層顕在化しているとし、技術分野の競争も「一層激しさを増す可能性」を指摘。「今後、様々な分野で米中の戦略的競争が一層顕在化していく」と、米中間競争が世界情勢に与える影響は極めて大きいとの見方を示しました。

 尖閣問題で「わが国領海で独自の主張をする活動は、そもそも国際法違反だ」と批判する一方、中国が他国の主権を侵害する「海警法」については「国際法との整合性の観点から問題がある規定が含まれている」と、あいまいな批判にとどまりました。北朝鮮が「わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」であるとの認識は踏襲しました。

 自衛隊・米軍基地周辺や国境離島などの住民を監視する土地利用規制法についても言及。「防衛施設の機能発揮を万全にする観点から大きな意義がある」と正当化しました。

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設について、普天間基地(同県宜野湾市)の「継続的な使用を回避するための唯一の解決策」という考えに固執。米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)の移転に向け、馬毛島(鹿児島県西之表市)の約9割の土地を取得したことを明記しました。昨年、配備を断念したイージス・アショアにかわるイージス・システム搭載艦2隻配備の推進も記すなど、民意に反した基地強化、軍拡推進の姿勢を鮮明にしました。

 また、気候変動について初めて言及。「安全保障上の課題として重大な関心を持って注視していく必要がある」としました。


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