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2021年6月19日(土)

「上限1万人」五輪のためか

BS番組 小池書記局長、中止決断求める

 日本共産党の小池晃書記局長は17日夜のBS―TBSの番組「報道1930」で、同日の政府による緊急事態宣言解除決定やイベント入場客の上限1万人の新基準などについて「すべては東京五輪のためか」と批判し、感染防止対策に集中するために「今夏の五輪中止の決断が政治の責任だ」と強く求めました。

 小池氏は、政府による9都道府県への緊急事態宣言解除の決定に対し、長期間の宣言などで「国民は疲弊している。十分な補償が必要だ」と前置きし、「リバウンドが必至の東京で今解除していいのか」と強調。前回の宣言解除時よりも新規感染者数が多いことに加え、インド由来のデルタ株が拡大し、その影響が小さい場合でも7月後半には1日の新規感染者数が1000人を超えると国立感染症研究所が試算したと紹介。「現時点で再宣言がすでに予測されているときに解除するのはあまりに危険で無謀だ」と指摘しました。

 番組は、政府が宣言解除後も酒類の提供を時間などで一律に規制しようとしていることに飲食店業者から「限界だ」などの声があがっていると紹介。小池氏は、東京都の協力金が業者に届いていない現状を告発し、「一律の時短ではなく、個別の店の状況に応じてきちんと感染対策の基準を設けて、クリアしているところは通常営業できるように切り替えるべきだ」と述べました。

 小池氏は、政府の上限1万人という有観客の新基準に対し、感染対策ではなくチケットの払い戻しを避けるためではないのかと批判。「五輪は他のイベントと異なり日本中から観客が訪れ、会場外のイベントも多数予定されている。連休やお盆と重なり地方への人の流れを促進してしまう。政府の新方針は、万単位で人を動かすことを当然の前提にしている」と指摘し、「五輪中止の決断をすることが、最も混乱を少なくする」と強調しました。

 和食レストランオーナーの山下春幸氏は、五輪による感染拡大でまた緊急事態宣言が出されれば、「しわ寄せは全て飲食業にくる。五輪の後が相当怖い」と発言。コメンテーターの堤伸輔・『フォーサイト』元編集長は「無観客」を求める意見に対して、「最もリスクが少ないのは無観客ではなく中止だ」と述べました。

 自民党の武見敬三参院議員は「これからは感染症の時代。どういう制御をすれば社会活動を継続できるのか。五輪はその試金石」などと発言。小池氏は「五輪は避けられない自然現象ではなく人間が行うものだ。止めることはできる」と強調。「専門家が言うように開催で1万人感染者が増えれば、数百人の犠牲者が出る。それを行っていいのか。感染症対策に逆行することをなぜするのか。中止の決断をするのが政治の責任だ」と主張しました。


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