しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年5月18日(火)

動物の部屋みたい。ここで姉は殺された

名古屋入管と遺族面談

ビデオ開示拒否「ウソばかり」

写真

(写真)名古屋入管との面談後、会見するウィシュマさんの妹の(前列左から)ポールニマさんとワヨミさん=17日、名古屋市

 名古屋出入国在留管理局で3月に亡くなったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=の遺族が17日、名古屋入管の佐野豪俊局長と面談し、死亡した経緯の説明などを求めました。部屋のビデオ開示について入管は「保安上の理由」から拒否。遺族は面談後の会見で「入管は私たちの質問に真っすぐ答えず、怒りを感じた。責任逃れをしている」と批判しました。

 遺族らによると面談の冒頭、局長はお悔やみの言葉を述べたものの、体調不良を訴えていたウィシュマさんに点滴や治療を行わなかった理由については、「本庁から調査を受けている身だ」として回答を拒否。部屋の視察は遺族らに限り認め、同行した弁護士と国会議員は認めませんでした。視察をしたのは妹のワヨミ・ニサンサラさん(28)、ポールニマさん(26)ら遺族3人と、友人1人の計4人。

 名古屋市内で会見したワヨミさんは「部屋は動物の部屋みたいに小さく、トイレもベッドの下にあり、病気になるのは当たり前だ。この小さい部屋で姉は殺されたと感じた。2カ月以上たつが死亡した理由の報告がなく、日本への信頼が崩れ始めている」。ポールニマさんは、実際に姉が使用した部屋かどうかなどを職員に聞いても何も回答がなかったと述べ「入管はウソばかり。逃げている感じがした」と感想を話しました。

 遺族の代理人の指宿昭一弁護士は「真相が分からないうちはスリランカには帰れない」と遺族が話しているとして、事件の真相が解明するまで在留期間を延長し、法務大臣との面会も求めていくと話しました。


pageup