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2021年5月17日(月)

きょうの潮流

 何気なく見ているテレビに、ハッとさせられることがあります。「感動ポルノ」という言葉。過激に響きますが、中身を聞くと納得です▼障害者をけなげだと感動的に描くことで、健常者に「自分の人生は最悪だけれど彼らよりもましだ」と思わせていないか。問いかけたのはオーストラリアのコメディアンでジャーナリスト、障害者の故ステラ・ヤングさんです。NHKEテレの「バリバラ」が伝え、日本でも広まりました▼障害をお笑いのネタにする、障害者と性や性的少数者について考える。従来は避けていたタブーに真正面から挑んで、番組は10年目に突入。障害のある人だけではなく、生きづらさを抱えた人たちにも向けて発信しています▼Eテレの番組は多様です。政治・社会問題に切り込む「ETV特集」、手話ニュース、音楽、古典芸能と並びます。語学講座も多言語をそろえて、ラジオとともにファンが多い▼ここへ来て、テレビとラジオの二つの波に関わる動きが取りざたされています。週刊誌やインターネットでEテレ売却論が流れ、NHKの経営計画には事実上、ラジオ第2の削減が盛り込まれました。背景にはNHKに受信料の値下げを迫る菅政権の揺さぶりがちらつきます▼NHKの秋からのテレビ小説は「カムカムエヴリバディ」。ラジオの英語講座を聞いて夢をつなぐヒロインの物語です。Eテレやラジオ第2の存続を願う制作現場の意思表示と取れなくもありません。これにどう応えるか、視聴者が声を上げる番です。


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