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2021年5月14日(金)

沖縄復帰 あす49年

米軍機騒音 12年比 発生10倍

高江ヘリパッド 集落包囲

図

 沖縄県東村(ひがしそん)の高江区で、2020年度の米軍機飛行による騒音発生が1万1047回に上り、垂直離着陸機MV22オスプレイが沖縄に配備された12年と比べて10倍になったことが、防衛省沖縄防衛局の測定調査で分かりました。

 日米両政府は米軍北部訓練場の「過半」返還の条件として、高江区の集落を取り囲むように6カ所のヘリパッド(着陸帯)を建設することで合意。オスプレイや米軍ヘリが頻繁に訓練で使用し、騒音が激化しました。沖縄の日本復帰から15日で49年。菅義偉首相は、北部訓練場の一部返還(16年12月)を「沖縄の本土復帰後最大の返還」として、基地負担軽減をアピールしますが、日本国民の税金で最新鋭のヘリパッドを建設し、逆に著しい基地強化が進行しています。

 防衛局は、高江区の牛道(うしみち)集落と車集落で、60デシベル以上の騒音を測定。12年度は騒音発生が1103回でしたが、15年のヘリパッド2カ所の米軍への先行提供を経て、16年度に1万1966回と急増。残り4カ所の建設後、全面運用が開始され、18年度には最多の1万2732回に達していました。

 また、午後7時から翌日午前7時までについてみると、12年度の騒音発生は219回でしたが、16年度に3000回を超えました。20年度は2487回と、12年度に比べて11・4倍となっています。

 高江区では、オスプレイやヘリなど米軍機が昼夜の別なく飛来して、民家の上空などを旋回。とりわけ、最も民家に近いN4地区のヘリパッドが頻繁に使われ、被害を拡大しています。これに伴う住民の流出が相次ぎ、区の人口は2012年度の約150人から20年度には約100人まで減りました。

 北部訓練場周辺の生物調査を行っているチョウ類研究者の宮城秋乃さんは「以前はなかった土曜日の訓練も行うようになった。銃を出した飛行もよく見かけ、学校上空も飛んでいる」と証言。固定翼機による海岸での低空飛行、急上昇も行われており、「頻度も高く、内容も過激になり、負担は重くなっている」と訴えます。


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