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2021年5月14日(金)

野党共闘で採決阻止、廃案へ全力

入管法改定案 志位委員長が会見

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(写真)記者会見する志位和夫委員長=13日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は13日、国会内で記者会見し、与党が今週中にも衆院法務委員会で採決を狙う入管法改定案について「他の野党とも共闘して断固採決を阻止し、廃案にするために全力を挙げたい」と表明しました。

 志位氏は、入管法改定案について端的にいって二つの問題点があると指摘しました。

野蛮な人権侵害の制度――根っこは戦前にある

 第1に、志位氏は、現行入管制度が在留資格のない外国人を、裁判所も通さずに問答無用で収容施設に追いやる「全件収容主義」をとっていることをあげ、「主要国で、こういう野蛮な『全件収容主義』をとっている国は他にない。著しく人権に反しており、国連の人権理事会からも是正が強く求められている問題だ」と指摘しました。

 志位氏は「現行入管制度の人権侵害の根っこをたどると戦前に行きつく」として、戦前、入管は内務省の管轄で、特高警察が実務を担い、外国人の権利は認めず、治安のための取り締まりの対象としていたことを指摘。「こうしたあり方を、日本国憲法施行の際に抜本的に改める必要があったにもかかわらず、特高警察的な入管制度が戦後も続けられて今日に至っており、その最悪の表れが『全件収容主義』だ。ところが、今度の政府改定案は、この根本的な問題に一切メスをいれるものではなく、逆に、入管当局の裁量を拡大し、厳罰主義をひどくする。人権侵害をひどくするもので絶対に、認められない」と語りました。

「ウィシュマさん死亡事件と切り離して」は成り立たない

 第2に、志位氏は、名古屋入管でのスリランカ人女性のウィシュマさんの死亡事件について、政府・与党が「この事件と切り離して法案は通すべきだ」としていることについて、「まったく成り立たない」と批判。2007年以降、入管施設で命を落とした外国人が17人もいるとして、「ウィシュマさんの痛ましい死亡事件も現行の入管制度の構造的問題点として起こっていることだ」と指摘しました。

 志位氏は、「毎日」が報じたようにウィシュマさんの診療記録には「内服できないのなら点滴、入院」との指示が書かれていたにもかかわらず、出入国管理庁が作成した中間報告には「医師から点滴や入院の指示がなされたこともなかった」と正反対の内容が書かれていたことに言及。「正反対のことをいって、事実をねじ曲げる。こういう問題を放置し、真相を明らかにしないまま法案を通すことは絶対に許すわけにはいかない。ウィシュマさんが亡くなった事件の真相解明は、法案審議の大前提だ」と述べました。

 そのうえで、「非人道的な人権侵害が、日本で白昼堂々行われていいのかと批判の声が広がっている」と強調。昨年、検察庁法改定に反対する動きがSNSで広がり、断念に追い込んだことをあげ、「コロナ危機のもとではあるが、さまざまな方法で『入管法改定は廃案に』との声を国会に集中していただくことを、心から呼びかけたい」と訴えました。


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