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2021年5月12日(水)

高齢者接種いまだ1.17%

首相は「1日100万回」掲げるが

根拠も具体策もなし

 新型コロナウイルスワクチンの高齢者向けの接種が10日から、全国各地の自治体で本格化しました。今週からワクチンの大量供給も始まり、政府は6月の最終週までにすべての高齢者約3549万人への2回接種が可能となる量を配送するとしています。

 菅義偉首相は、3回目の緊急事態宣言を発表した4月23日の会見で、「7月末を念頭に各自治体が2回の接種を終えることができるよう取り組む」と高齢者への接種期限を前倒しする方針を公表。宣言を延長した7日の会見では、「1日100万回の接種」「6月上旬までに約4000万回分のワクチン供給」を目標に掲げています。

 ただ、現時点での高齢者へのワクチン接種は、4月12日の開始以来、約41・5万回で全体の1・17%にすぎません。米国のジョンズ・ホプキンス大学が11日までに集計したデータによると、日本で2回目の接種を終えたのは全人口の0・92%。接種が始まっている113カ国中89位と大きく出遅れています。

 接種が本格化した10日は、全国の自治体で予約が殺到し、電話がつながりにくくなるなどの問題が相次ぎました。河野太郎規制改革担当相は11日、記者会見で「通話時間が非常に長くなる傾向がある。予約を取ったら電話を切って他の方の予約に協力してほしい」と高齢者の電話の仕方に責任を押し付けました。

 政府はこれまで、スケジュールを公表する一方、1日100万回接種を可能とする根拠は何ら示していません。接種体制の準備が遅れている自治体への支援などの具体策も描き切れていない状況です。


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