2021年4月27日(火)
「政治とカネ」県民が審判
参院広島再選挙 宮口氏
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参院広島選挙区再選挙では、市民と野党統一でフリーアナウンサーの宮口治子氏(45)=諸派、新人=が初当選しました。自民党公認、公明党推薦で元経済産業省官僚の西田英範氏(39)に3万3936票の差で勝利しました。
自民党が起こした「政治とカネ」の問題に県民が厳しい審判を下しました。26日付各紙には「自民不信浮き彫り 宮口さん共闘結実」(中国)、「政治とカネだまっとれん」(朝日)の見出しが並びました。
初当選した宮口氏は翌朝8時、広島市のバスセンター前に立ち決意を述べると、スーツ姿の男性や通勤中の女性が手を振って応えました。
自民を追いつめ
今回の再選挙は、2019年参院選をめぐる大規模買収事件で有罪が確定した河井案里前参院議員=自民党を離党=の当選無効に伴い行われました。
自民党は、広島では衆院7選挙区のうち六つを占め、批判はあっても勝てると公認を擁立。岸田文雄県連会長(前政調会長)が選挙戦を指揮しました。
しかし「最大の争点は『政治とカネ』だ」との県民の声が日増しに高まり「自民党を変える」(岸田氏)といわざるを得ないところまで追いつめました。
宮口氏は選挙戦後半、子育て・女性・障害者政策とともに、政治とカネの問題を重視して訴えました。「『河井疑惑』をただす会」の山根岩男事務局長は「宮口さんの生活者の立場で小さな声を拾い上げていく姿勢にも共感が集まったが、同時に河井事件に対する批判、『ただす会』の地道な活動が選挙結果に結びついた。ただす会は今後も現金を受け取った議員ら100人の起訴、案里氏の歳費の返還を求めていく」と語りました。
初の野党共闘に
宮口さんの勝因はそれだけではありません。広島2・3・5区市民連合は宮口氏と、安保法制廃止、核兵器禁止条約への日本政府の参加と並んで、金権腐敗選挙の払拭(ふっしょく)を掲げる政策協定を締結。市民連合はこれを共産、立憲民主、社民、新社会各党とも結び、広島で初めての野党共闘が実現しました。
共産党は、2019年参院選の選挙区で7万886票、比例区で6万6937票を得ており、今回の新聞の調査では、共産党支持層の9割超が宮口氏に投票した(「毎日」26日付)と報じられています。共産党が宮口氏当選に大きく貢献したことはこのことからも明らかです。
また、「自民党の金権腐敗政治を一掃しましょう」との「広島民報」号外を47万枚配布。支部・後援会がスタンディング宣伝や対話・支持拡大に奔走しました。最終盤には志位和夫委員長が広島市入りし必勝を訴えました。
当宮口治子45諸新 370860
西田英範39自新 336924
佐藤周一45無新 20848
山本貴平46N新 16114
大山宏72無新 13363
玉田憲勲63無新 8806
(投票率33・61%)